アウェーでの一戦、前半終了間際に先制ゴールを挙げたのは、ハメス・ロドリゲスだった。パスを受けると相手選手2人をかわし、左足で地を這うミドルを放ち、ゴール右隅に突き刺したのである。
今シーズンはそれまでUEFAスーパーカップ、チャンピオンズ・リーグを含む公式戦4試合での途中出場に甘んじ、今回、ようやく初めてスタメンに名を連ねたこのエスパニョール戦で、目に見える結果を残したハメス。もちろん、今シーズン初ゴールだった。
得点王となるなど大ブレークを果たしたブラジル・ワールドカップの直後にマドリーの一員となった彼は、1年目こそ8000万ユーロともいわれる移籍金に見合った活躍を披露したものの、翌シーズンからはベンチで過ごす日々が長くなっていった。
今シーズン開幕前には、移籍は確実と報じられ、新天地候補としてマンチェスター・ユナイテッド、パリ・サンジェルマン、アーセナルなどの名前が挙がり、結局残留したものの、先日は、ハメス自身が8500万ユーロの移籍金でインテルに行くことを決意した、との報道も流れた。
こうした状況を経ての、スタメン&ゴールにハメスの感慨もひとしお。これまで、メディアに対しては「マドリーに残りたい」とコメントを発していた彼は、改めて「いつもここにいたいと思っていたし、これからもここで戦っていくつもりだ」と語った。
また、これまでのことについて「決して悪い時間ではなかったよ。みんなが僕をサポートしてくれたし、監督との関係も悪くなかった。外で言われていたようなことと現実は、全然違うよ」と振り返る。
「ジダン監督と、移籍について何かを話したようなこともないし、常に良い関係を保てている。今、チームはひとつにまとまっていて、みんなが連勝記録を伸ばしていくことに集中しているんだ。今日もそれがうまくいった」
こう語る彼は、チームの一員であることを強調し、エスパニョール戦で62分にイスコとの交代を命じられたことについても「納得しているよ。僕は選手だから、監督の指示に従うまでさ」と、全く不満には感じていないようだ。
もっとも、これで即、今後のマドリーでのポジションが約束されるわけでなく、今後も厳しいポジション争いを強いられるわけだが、マドリーに必要かどうかが論じられていた頃に比べれば、現在の状況は、ハメスにとって大きな前進と言えるだろう。
