敗戦をきっちり語ることのできる指導者。
第1ステージ11位に沈んだ横浜が、第2ステージでは好調だ。今節は残留争いを繰り広げる新潟に3-1と快勝し、4位に浮上した。
この横浜の好調を考えたとき、頭に浮かぶのがモンバエルツ監督の存在だ。
就任2年目を迎えるフランス人指揮官は、決して斬新なチームを創っているわけではない。その試合運びは手堅い守りとサイドアタックを基調とした、実にオーソドックスなものだ。
監督自身の振る舞いも派手さはなく、地味な印象が拭えない。同じフランス人でも、見出しになりそうな言葉がポンポンと飛び出したトルシエとは正反対だ。
だが、この控えめなところがいいのかもしれない。
モンバエルツ監督は試合後の記者会見で、決して多くを語らない。聞かれたことについて、シンプルに答える。ただ、このシンプルな答えの中に、チームの方向性が端的に表われている。
思い出すのが第2ステージ6節、ホームでの名古屋戦だ。
この試合の横浜は低迷する名古屋を一方的に攻めたてながら多くの決定機を逃し、スコアレスドローに終わった。勝点2を失ったといっていい。
試合後、マルティノスのクロスがことごとく精度を欠いたことについて問われたモンバエルツ監督は、次のように語った。
「名古屋が守備を固めてきたので、もう少しSBとの関わりによってサイドを攻撃することが必要ではなかったかと思う。サイドハーフだけではなく、SBとの協力で崩すということ。私は、個人の力よりもコレクティブなところを考えていきたいと思っている」
何ということのないコメントだが、これを聞いて私はモンバエルツ監督の説明能力の高さに感心した。過不足のない言葉の中に、集団でサイドを崩し、ゴールへの道を切り拓くという横浜の目指す方向性が明確に示されていたからだ。とてもわかりやすい。
勝ったあとなら、何を語ってもみんなが耳を傾けてくれる。
だから監督にとっては、負けたときに説得力を持って試合や結果、サッカーについて語ることができるかが大事になる。モンバエルツ監督は、敗戦をきっちりと語ることができる指導者だろう。
監督は思い描く形を端的に伝え、それを選手たちに実践させるのが仕事。これは簡単なことではない。
言葉にできてもピッチ上に反映させられない監督は多いし、そもそも何を目指しているのかわからない監督もいる。
この横浜の好調を考えたとき、頭に浮かぶのがモンバエルツ監督の存在だ。
就任2年目を迎えるフランス人指揮官は、決して斬新なチームを創っているわけではない。その試合運びは手堅い守りとサイドアタックを基調とした、実にオーソドックスなものだ。
監督自身の振る舞いも派手さはなく、地味な印象が拭えない。同じフランス人でも、見出しになりそうな言葉がポンポンと飛び出したトルシエとは正反対だ。
だが、この控えめなところがいいのかもしれない。
モンバエルツ監督は試合後の記者会見で、決して多くを語らない。聞かれたことについて、シンプルに答える。ただ、このシンプルな答えの中に、チームの方向性が端的に表われている。
思い出すのが第2ステージ6節、ホームでの名古屋戦だ。
この試合の横浜は低迷する名古屋を一方的に攻めたてながら多くの決定機を逃し、スコアレスドローに終わった。勝点2を失ったといっていい。
試合後、マルティノスのクロスがことごとく精度を欠いたことについて問われたモンバエルツ監督は、次のように語った。
「名古屋が守備を固めてきたので、もう少しSBとの関わりによってサイドを攻撃することが必要ではなかったかと思う。サイドハーフだけではなく、SBとの協力で崩すということ。私は、個人の力よりもコレクティブなところを考えていきたいと思っている」
何ということのないコメントだが、これを聞いて私はモンバエルツ監督の説明能力の高さに感心した。過不足のない言葉の中に、集団でサイドを崩し、ゴールへの道を切り拓くという横浜の目指す方向性が明確に示されていたからだ。とてもわかりやすい。
勝ったあとなら、何を語ってもみんなが耳を傾けてくれる。
だから監督にとっては、負けたときに説得力を持って試合や結果、サッカーについて語ることができるかが大事になる。モンバエルツ監督は、敗戦をきっちりと語ることができる指導者だろう。
監督は思い描く形を端的に伝え、それを選手たちに実践させるのが仕事。これは簡単なことではない。
言葉にできてもピッチ上に反映させられない監督は多いし、そもそも何を目指しているのかわからない監督もいる。