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「天才ティーンエイジャーの対決」戦前の注目度はヤマルの方が上。だが主役を演じたのはエステバンだった【現地発】

カテゴリ:メガクラブ

田嶋コウスケ

2025年11月27日

角度のない場所から華麗にネットを揺らす

バルサ戦で際立つパフォーマンスを見せたエステバン。55分にはチーム2点目をマークした。(C)Getty Images

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 チャンピオンズリーグのリーグフェーズ、チェルシー対バルセロナが現地11月25日に行なわれた。

 これまで幾多の名勝負を演じてきた両クラブの対戦。今回は、2人の「18歳」に注目が集まった。ひとりは、バルセロナのラシン・ヤマル。もうひとりは、チェルシーのエステバンである。試合前、英BBC放送は「天才ティーンエイジャーの対決」と伝えていた。

 2007年7月生まれのヤマルは、バルセロナの下部組織出身。24年のEUROでスペイン代表の中心選手として優勝に大きく貢献し、自身も1ゴール・4アシストで大会の最優秀若手選手に選ばれた。若手版バロンドールにあたるコパ・トロフィーを24年、25年と連続で獲得し、バロンドールでも、今年はウスマンヌ・デンベレ(パリSG)に次いで2位につけた。

 一方、2007年4月生まれのエステバンは、ブラジルのクルゼイロECのユースチーム出身。21年から在籍したパルメイラスで62試合に出場し、18ゴールを記録した。

 ブラジルでの活躍とポテンシャルが高く評価され、24年6月にチェルシーへの移籍が内定した。そして今年7月、チェルシーに正式に加入した。個人賞など実績の点ではヤマルに及ばないが、エステバンもすでにブラジルのA代表でプレー済み。17歳135日でのデビューは、ブラジル代表史上5番目の若さだ。

 この2人が、チェルシーの本拠地スタンフォード・ブリッジで同じピッチに立った。両者とも、試合でのポジションは右ウイング。戦前の注目度はヤマルの方が上だったが、主役を演じたのはエステバンだった。

 18歳のブラジル人はバルセロナを翻弄した。右SBのマロ・ギュストと連動しながら、「タッチライン際の大外」と「中央エリア」を巧みに使い分け、バルセロナのSBアレックス・バルデを大いに惑わせる。3分には縦へドリブルで走ってクロスボール。24分にはスルーパスでペドロ・ネトの得点チャンスを生み出した。

 極めつけは55分の得点場面だ。ペナルティエリア外でボールを受けると、軽やかなステップでボールを前に進め、2人に囲まれながらも右足を一閃──。角度のない場所から華麗にネットを揺らした。

 83分の交代時には、興奮したチェルシーサポーターにスタンディングオベーションで迎えられ、3-0の勝利に貢献した。
 
 試合後にブラジルの神童は、ゴールについて「すべてが非常に早く起きた。気がついたらスペースが見えて、スルスルっと抜けていけた。そうしたら、あのゴールが生まれたんだ」と振り返った。さらに「正直、今の気持ちをうまく言葉にできない。完璧な夜だった。もっと多くのゴールを決めたい。間違いなく、これまでで最高の瞬間だ」と笑った。

 一方のヤマルは、苦戦が続いた。エステバンと違って大外でボールを待つ展開が続き、対峙したSBマルク・ククレジャの執拗なマークに苦しんだ。パスを受ければ、ククレジャが激しく寄せる。ククレジャが「対戦することになったら、ヤマルには激しくいく。スペイン代表のチームメイトであっても関係ない」と宣言していた通り、ほぼマンマークで決定的な仕事をさせなかった。

 67分には中盤でボールを受けたヤマルが、ククレジャにブロックされた場面も。両腕を広げてファウルをアピールする姿は、明らかにフラストレーションを溜め込んでいるようだった。そして80分に無念の交代──憮然とした表情でピッチを去った。この日、18歳の2人の姿は実に対照的だった。
 
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