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まさかの18位に低迷。目標をJ2昇格からJ3残留へ軌道修正。二度の公式声明の背景と本音【ザスパ社長・細貝萌の生き様】

カテゴリ:連載・コラム

元川悦子

2025年10月17日

「正直、ここまで結果が出ないとは考えていなかった」

チームの厳しい現状に、細貝社長は何を思うか。写真:元川悦子

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 最終盤を迎えつつある2025年シーズンのJ3。24年の年間運営費が5億強、トップチーム人件費が1億5000万弱のヴァンラーレ八戸がトップをひた走り、今季にJFLから昇格してきた栃木シティが追走するという“意外な構図”が依然として続いている。

 その傍らで、J1経験のある松本山雅FCや昨季J2を戦っていた栃木SCが苦戦。栃木SCと同じくJ2から降格してきたザスパ群馬も、31試合終了時点で勝点28位の18位と想定外の苦境を強いられているのだ。

 今季の群馬は、北海道コンサドーレ札幌で長くコーチを務めてきた沖田優監督を招聘。「ボールを大事にしながら攻撃的なスタイルで勝つ」という方向性でチーム作りを進めてきた。

 しかしながら、9月20日のガイナーレ鳥取戦(1-3)で5連敗を喫し、ラスト10試合という段階でJ2プレーオフ圏内の6位・奈良クラブに勝点17差の18位に沈んだことで、クラブ全体が大きな危機感と緊張感に包まれた。

 そこで、細貝萌社長が今季最初の声明を発表。「J3残留の必達はもとより、可能性がある限りプレーオフ進出、そしてJ2昇格を諦めることなく闘い抜く」と、あくまでJ2を目ざして戦っていく覚悟を示していた。

 だが、9月27日のSC相模原戦を1-1で引き分け、10月4日のFC岐阜戦は1-2で敗れたことで、順位は18位のまま。JFL降格もないとは言い切れない厳しい状況に追い込まれたため、10月9日に2度目の声明を発表。「クラブは残り8試合において目標を『J3残留』へと切り替える決断をいたしました」と訴えかけたのだ。

 この背景を、細貝社長は改めてこう語った。

「最初の声明を出した時点では、現場としっかり話をしたなかで『今まで通りの目標設定でやらせてほしい』という要望もあり、選手のモチベーションも考えて、J2昇格を目ざし続けることにしました。

 でも、そこから2試合を終えて勝点1しか積み上げることができなかった。そこで6ポイントを取るのと、1しか取れないのでは、まったく状況が違う。その現実をしっかりと受け止め、現場やサポーター団体、パートナー企業のみなさんとも話し合って、J3残留にフォーカスすると決断。それを共有し、一丸となって目標達成に向かっていく体制を作りたかったんです」と、彼は神妙な面持ちで言う。
 
 ご存じの通り、細貝社長が現役キャリアに区切りをつけたのは昨季末。1年前の今頃はまだ群馬の選手として毎日、トレーニングに参加していた。引退を決断したのは昨年10月で、社長兼GMに就任することが決まったのもその後。この1年の紆余曲折は想像を絶するものがあったに違いない。

「『この重責を担った以上、いろんなことが起きるだろうな』とは考えていましたけど、それ以上のことが起きているのは事実ですね。

 僕が社長兼GMに就任しようとした際、周りから『今は難しい時期だから厳しいだろう』と言われたのは確かです。でも、僕はその逆境を跳ね返していけると思って引き受けましたし、今も必死に取り組んでいます。

 正直、ここまで結果が出ないとは考えていなかったですし、僕自身も周りからいろんなことを言われますけど、サッカークラブは生き物。うまくいかない時期があるのも当然のこと。そこは現実をしっかりと受け止めて進んでいくしかないですね」と、細貝社長は懸命に自らを奮い立たせている。
 
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