まさかの「5-5-0」衝撃の「32.8%」。第4審判に奇妙なキス。ペップが自らの哲学を封印。アーセナル戦の痛恨ドローは重要な分岐点に【現地発】
カテゴリ:メガクラブ
2025年09月23日
グアルディオラ政権では過去最低の数字
9月21日に行なわれたアーセナル対マンチェスター・シティのビッグマッチ。強豪同士の対決は、マンチェスター・Cが早い時間にFWアーリング・ハーランドの一発で先手を取ったが、試合終盤にガブリエル・マルティネッリに同点ゴールを奪われ、1-1のドローに終わった。
英メディアにおける最大の話題は、ジョゼップ・グアルディオラ監督が後半に見せた“異例の守備的布陣”にあった。攻撃サッカーで知られるスペイン人指揮官は、チームを5バック(最終的には5-5-0に近い形)に組み替え、ハーランドを下げることで「守備固め」に転じた。その是非が各所で論じられているのである。
シティはカウンターからハーランドのゴールで先制したが、後半に入ると持ち味であるボール支配を徐々に放棄した。アーセナルの圧力と自軍の疲労を理由に、フィル・フォーデンをDFのナサン・アケに交代させ(68分)、さらにハーランドを下げてMFニコ・ゴンザレスら守備的な選手を投入した(76分)。
これによりバックラインは5枚となり、中盤にも多くの選手を自陣に貼り付かせることで「守り切る」選択をした。その結果、試合終盤のシティのポゼッションは32.8%となり、グアルディオラ政権では過去最低の数字となった。
英紙『デーリー・テレグラフ』は「ペップがこの10年で、初めてバスを停めた(=人数を割いて守備を固めた)」と伝えた。同紙はスタッツに着目し、今回の32.8%が2016年のCLバルセロナ戦(34.66%)を下回る数値であったこと、そして交代策(フォーデン→アケ、ハーランド交代)が試合の終盤まで有効に見えたものの、「結局は終了間際の守備の綻びを突かれた」と指摘。さらにこう報じた。
「ペップは一体、何者になったのか。サッカー界のトップに位置する指揮官の振る舞いとは、信じ難かった。1-0のリードを守るため5バックでプレーしたその姿は、かつてバーンリーやエバートンを率いたショーン・ダイチのようだ。時間稼ぎに躍起になり、第4審判の頬に奇妙なキスをするなど、タッチライン上での振る舞いも奇妙だった」
英メディアにおける最大の話題は、ジョゼップ・グアルディオラ監督が後半に見せた“異例の守備的布陣”にあった。攻撃サッカーで知られるスペイン人指揮官は、チームを5バック(最終的には5-5-0に近い形)に組み替え、ハーランドを下げることで「守備固め」に転じた。その是非が各所で論じられているのである。
シティはカウンターからハーランドのゴールで先制したが、後半に入ると持ち味であるボール支配を徐々に放棄した。アーセナルの圧力と自軍の疲労を理由に、フィル・フォーデンをDFのナサン・アケに交代させ(68分)、さらにハーランドを下げてMFニコ・ゴンザレスら守備的な選手を投入した(76分)。
これによりバックラインは5枚となり、中盤にも多くの選手を自陣に貼り付かせることで「守り切る」選択をした。その結果、試合終盤のシティのポゼッションは32.8%となり、グアルディオラ政権では過去最低の数字となった。
英紙『デーリー・テレグラフ』は「ペップがこの10年で、初めてバスを停めた(=人数を割いて守備を固めた)」と伝えた。同紙はスタッツに着目し、今回の32.8%が2016年のCLバルセロナ戦(34.66%)を下回る数値であったこと、そして交代策(フォーデン→アケ、ハーランド交代)が試合の終盤まで有効に見えたものの、「結局は終了間際の守備の綻びを突かれた」と指摘。さらにこう報じた。
「ペップは一体、何者になったのか。サッカー界のトップに位置する指揮官の振る舞いとは、信じ難かった。1-0のリードを守るため5バックでプレーしたその姿は、かつてバーンリーやエバートンを率いたショーン・ダイチのようだ。時間稼ぎに躍起になり、第4審判の頬に奇妙なキスをするなど、タッチライン上での振る舞いも奇妙だった」
また『デーリー・テレグラフ』は、理想を追い求めるペップらしからぬ戦術に失望感を示した。
「グアルディオラは、芸術を極めた人物としてこれからも記憶されてほしい。例えば2010年、バルセロナがジョゼ・モウリーニョ率いるレアル・マドリーを5-0で粉砕した試合は、ライバルを屈服させただけでなく、グアルディオラ監督の哲学そのものを結晶化させた。
その作品を“モウリーニョ的”なバスを停める戦術で汚してほしくはない。時間稼ぎを推奨し、残り24分でフォーデンをDFと交代させるような采配など見たくない。現実主義に身を委ねてしまったようだ。新しい戦い方を見出したと解釈することもできるが、むしろ裏切り行為に映った」
スポーツサイトの『ジ・アスレティック』は、より戦術論的な視点から分析した。今回のアプローチを「ペップのプランB」と位置づけ、従来の「支配して崩す」スタイルから一歩退き、相手の強み(ビルドアップと推進力)を消すため「最小限のリスクで守り切る選択をした」と分析している。
同サイトは「シティのアプローチが衝撃的だったのは、グアルディオラがこれまで掲げてきた哲学とは、まったく異なるものだったからだ。監督として、ここまで受け身に回ったのは初めて。ボール支配率はわずか32.8%にとどまった」と、『デーリー・テレグラフ』と似たような見解を示した。そしてこう続けた。
「シティは68分から5バックに移行し、自らの哲学を放棄するかのように引いて構えた。最終ラインにはヌネス、ディアス、アケ、ストーンズ、グヴァルディオルが列を作り、その前にロドリ、ニコ・ゴンザレス、ベルナルド・シウバ、タイアニ・ラインデルス、サビーニョが並んだ。もちろん、この形が今季の主軸にはならない。ただ、これまで想像すらできなかった“プランB”を実践した試合として、記憶されるに違いない」
「グアルディオラは、芸術を極めた人物としてこれからも記憶されてほしい。例えば2010年、バルセロナがジョゼ・モウリーニョ率いるレアル・マドリーを5-0で粉砕した試合は、ライバルを屈服させただけでなく、グアルディオラ監督の哲学そのものを結晶化させた。
その作品を“モウリーニョ的”なバスを停める戦術で汚してほしくはない。時間稼ぎを推奨し、残り24分でフォーデンをDFと交代させるような采配など見たくない。現実主義に身を委ねてしまったようだ。新しい戦い方を見出したと解釈することもできるが、むしろ裏切り行為に映った」
スポーツサイトの『ジ・アスレティック』は、より戦術論的な視点から分析した。今回のアプローチを「ペップのプランB」と位置づけ、従来の「支配して崩す」スタイルから一歩退き、相手の強み(ビルドアップと推進力)を消すため「最小限のリスクで守り切る選択をした」と分析している。
同サイトは「シティのアプローチが衝撃的だったのは、グアルディオラがこれまで掲げてきた哲学とは、まったく異なるものだったからだ。監督として、ここまで受け身に回ったのは初めて。ボール支配率はわずか32.8%にとどまった」と、『デーリー・テレグラフ』と似たような見解を示した。そしてこう続けた。
「シティは68分から5バックに移行し、自らの哲学を放棄するかのように引いて構えた。最終ラインにはヌネス、ディアス、アケ、ストーンズ、グヴァルディオルが列を作り、その前にロドリ、ニコ・ゴンザレス、ベルナルド・シウバ、タイアニ・ラインデルス、サビーニョが並んだ。もちろん、この形が今季の主軸にはならない。ただ、これまで想像すらできなかった“プランB”を実践した試合として、記憶されるに違いない」