自分を責めた――なんでこうなった...
ミスをした瞬間、頭の中が真っ白になった――。
8月6日の天皇杯4回戦、東洋大学はJ1を連覇中のヴィッセル神戸と敵地ノエビアスタジアムで戦った。2回戦で柏レイソル、3回戦でアルビレックス新潟と、史上初めてJ1の2クラブを撃破してきた東洋大は、神戸戦でも1-1で延長戦までもつれ込む大熱戦を演じていた。
しかし、悪夢は延長後半アディショナルタイムに待っていた。神戸のDF広瀬陸斗がクロスを上げる。落下地点に入ったGK磐井稜真が両手を伸ばして難なくキャッチするはずだったが、ボールは磐井の両手を滑るように後方にこぼれ、詰めていたFW宮代大聖が容赦なくゴールに突き刺した。
まさかのファンブル。失点の瞬間、磐井はその場に崩れて動けなかった。痛恨のミスに、タイムアップのホイッスルが鳴り響いても、2年生守護神はあふれる涙を抑えられなかった。
そこにチームメイトだけでなく、神戸のGK新井章太も真っ先に駆けつけて激励の言葉をかけた。柏戦でスタメンに抜擢されて公式戦デビューを飾り、J1の3クラブとの激戦で、最後までゴールを守り抜いた。東洋大の快進撃の立役者に対して、リスペクトのある行動だった。
「今まで、あからさまに失点に繋がるミスは記憶にないので、正直、かなりショックというか、『なんでこうなってしまったのか』と自分を責めました」
8月6日の天皇杯4回戦、東洋大学はJ1を連覇中のヴィッセル神戸と敵地ノエビアスタジアムで戦った。2回戦で柏レイソル、3回戦でアルビレックス新潟と、史上初めてJ1の2クラブを撃破してきた東洋大は、神戸戦でも1-1で延長戦までもつれ込む大熱戦を演じていた。
しかし、悪夢は延長後半アディショナルタイムに待っていた。神戸のDF広瀬陸斗がクロスを上げる。落下地点に入ったGK磐井稜真が両手を伸ばして難なくキャッチするはずだったが、ボールは磐井の両手を滑るように後方にこぼれ、詰めていたFW宮代大聖が容赦なくゴールに突き刺した。
まさかのファンブル。失点の瞬間、磐井はその場に崩れて動けなかった。痛恨のミスに、タイムアップのホイッスルが鳴り響いても、2年生守護神はあふれる涙を抑えられなかった。
そこにチームメイトだけでなく、神戸のGK新井章太も真っ先に駆けつけて激励の言葉をかけた。柏戦でスタメンに抜擢されて公式戦デビューを飾り、J1の3クラブとの激戦で、最後までゴールを守り抜いた。東洋大の快進撃の立役者に対して、リスペクトのある行動だった。
「今まで、あからさまに失点に繋がるミスは記憶にないので、正直、かなりショックというか、『なんでこうなってしまったのか』と自分を責めました」
ショックは大きかった。だが、あのピッチで仲間や新井がかけてくれた言葉が、間違いなく心の支えになった。
「チームメイトや新井選手が、あれだけたくさんの声をかけてくれたにもかかわらず、自分がいつまでも引きずるのは違うと思ったんです。反省すべきところは反省して、次に切り替えていくのが、自分がすべきことだと考えるようになりました」
もちろん、切り替えるのに数日はかかった。それでも周りの温かさに背中を押され、もう一度、自分を見つめ直したことで、自分がこれまで積み上げてきたものの大切さを再認識したことで、磐井の中で再び火が灯った。
「僕はサイズ(177センチ)がない分、大きいゴールキーパーと比べると不利になる。でも、そこを覆す技術や他の能力を磨かないと、自分は上には行けないと常に思ってやってきました。
高校の時、東京ヴェルディユースでずっとビルドアップを求められてきて、攻撃に参加する部分や背後のスペースの広範囲をカバーする技術は、自分の特長としてやってきました。他の大きなゴールキーパーと差をつけるための努力をやってきたからこそ、今があると思っています」
そのなかでハイボールの処理は強い意識を持ってやってきた。サイズを補うだけの空間認知能力やキャッチの技術も、足もとを磨くなかでコツコツと積み重ねてきた。
「サイズのことは、やっぱりどこに行っても言われます。でも、それは変えられる部分ではない。変えられないものだからこそ、変えられるものを見つけてやるしかない。それはずっと大事にしています」
「チームメイトや新井選手が、あれだけたくさんの声をかけてくれたにもかかわらず、自分がいつまでも引きずるのは違うと思ったんです。反省すべきところは反省して、次に切り替えていくのが、自分がすべきことだと考えるようになりました」
もちろん、切り替えるのに数日はかかった。それでも周りの温かさに背中を押され、もう一度、自分を見つめ直したことで、自分がこれまで積み上げてきたものの大切さを再認識したことで、磐井の中で再び火が灯った。
「僕はサイズ(177センチ)がない分、大きいゴールキーパーと比べると不利になる。でも、そこを覆す技術や他の能力を磨かないと、自分は上には行けないと常に思ってやってきました。
高校の時、東京ヴェルディユースでずっとビルドアップを求められてきて、攻撃に参加する部分や背後のスペースの広範囲をカバーする技術は、自分の特長としてやってきました。他の大きなゴールキーパーと差をつけるための努力をやってきたからこそ、今があると思っています」
そのなかでハイボールの処理は強い意識を持ってやってきた。サイズを補うだけの空間認知能力やキャッチの技術も、足もとを磨くなかでコツコツと積み重ねてきた。
「サイズのことは、やっぱりどこに行っても言われます。でも、それは変えられる部分ではない。変えられないものだからこそ、変えられるものを見つけてやるしかない。それはずっと大事にしています」