「絵を描けてますね」オランダ首位に立つ新生NECで“頭脳”佐野航大が大車輪の活躍! 兄・海舟から盗み出した“極意”を明かす「ずっと近くで見てたんで」【現地発】
カテゴリ:海外日本人
2025年08月27日
開幕3連勝と最高のスタートを切った「ディッキー・タカ」
ディック・スフローダーはUEFAプロライセンスを取ったのが遅かったこともあり、54歳の割にはトップレベルでのキャリアは浅いが、監督としての鬼才ぶりはオランダで広く知れ渡っている。
その始まりは2021年11月から1年半率いたPECズウォーレでのスペクタクルなサッカー。21−22シーズンは最下位から脱することができず降格してしまったが、それでも最終戦が終わるとファンはスタンディングオベーションでチームを称えた。この時期、中山雄太(現町田ゼルビア)がリベロにコンバートされ、ポリバレントな能力を存分に発揮していたのは記憶に新しい。
翌22−23シーズンの2部リーグ、PECズウォーレを2位に導いてエールディビジに復帰させると、スフローダーはスペイン3部リーグのカステジョンの指揮官に。「ティキ・タカ」の本場で「ディッキー・タカ」のニックネームを授かった。そしてその鬼才は今季、NECナイメーヘンの指揮官に就き、オランダでは珍しい3-4-2-1システムで開幕3連勝と最高のスタートを切った。
NEC版「ディッキー・タカ」の頭脳となるのがMF佐野航大だ。ディルク・プロッパーとセントラルMFのコンビを組む背番号23は、3バック+1(佐野)のようなポジションを取ってリスク管理をしつつ、ポゼッションを循環させ、チャンスメイクをし、ラストパスやクロスでゴールに絡み、さらに間隙を突いてフィニッシャーに変貌する。第2節のヘラクレス戦(4-1の勝利)からセットプレーのキッカーも務め、第3節のNAC戦(3-0の勝利)では正確無比のFKをブライアン・リンセンに通したものの、シュートミスで佐野にアシストは付かなかった。
「今まで蹴ってなかっただけで実は(セットプレーも)持ってます(笑)」
その始まりは2021年11月から1年半率いたPECズウォーレでのスペクタクルなサッカー。21−22シーズンは最下位から脱することができず降格してしまったが、それでも最終戦が終わるとファンはスタンディングオベーションでチームを称えた。この時期、中山雄太(現町田ゼルビア)がリベロにコンバートされ、ポリバレントな能力を存分に発揮していたのは記憶に新しい。
翌22−23シーズンの2部リーグ、PECズウォーレを2位に導いてエールディビジに復帰させると、スフローダーはスペイン3部リーグのカステジョンの指揮官に。「ティキ・タカ」の本場で「ディッキー・タカ」のニックネームを授かった。そしてその鬼才は今季、NECナイメーヘンの指揮官に就き、オランダでは珍しい3-4-2-1システムで開幕3連勝と最高のスタートを切った。
NEC版「ディッキー・タカ」の頭脳となるのがMF佐野航大だ。ディルク・プロッパーとセントラルMFのコンビを組む背番号23は、3バック+1(佐野)のようなポジションを取ってリスク管理をしつつ、ポゼッションを循環させ、チャンスメイクをし、ラストパスやクロスでゴールに絡み、さらに間隙を突いてフィニッシャーに変貌する。第2節のヘラクレス戦(4-1の勝利)からセットプレーのキッカーも務め、第3節のNAC戦(3-0の勝利)では正確無比のFKをブライアン・リンセンに通したものの、シュートミスで佐野にアシストは付かなかった。
「今まで蹴ってなかっただけで実は(セットプレーも)持ってます(笑)」
これだけのサッカーセンスの持ち主だ。今までセットプレーを任されなかったことのほうが不思議である。
オープンプレーからのチャンスメイクは、読者の方々もダイジェスト映像でチェックできるから、佐野のプレーをイメージしやすいだろう。開幕のエクセルシオール戦(5-0で勝利)で佐野は右サイドから、ペナルティエリア左角に立った左ウイングバック、ウナルにミドルパスを通し、プロッパーが決めた先制ゴールをお膳立てした。
「『相手がちょっと緩んだな』『ボールウォッチャーになってるな』。そういうところを俺は見ている。長短関係なく、そういうパスを多用して、攻撃のリズムを変えること・作ることが、理想とする選手です」
今回のNAC戦では、MFシェリーから落としのパスを受けた佐野が、ペナルティエリア右外からダイレクトでクロスを上げて、FW小川航基の頭に合わせた。
「深めの位置を取ってから、パスを落としてもらってダイレクトのクロス――。あの形はずっと狙ってますね。DFはラインを上げないといけないけれど、俺がダイレクトでクロスを蹴ることによってコンマ何秒か、ラインコントロールが遅れる。そこに航基くん、リンセンは入っていけるので、俺がGKとDFの間に(チップとインフロントの中間のようなキックで)フワリと上げるだけでチャンスになる。ドリブルで相手を剥がして入れるとか、単純に入れるとか、それでもいいんですけれど、もっと引き出しをいっぱい持って、クロスの上げ方を工夫しないといけません」
オープンプレーからのチャンスメイクは、読者の方々もダイジェスト映像でチェックできるから、佐野のプレーをイメージしやすいだろう。開幕のエクセルシオール戦(5-0で勝利)で佐野は右サイドから、ペナルティエリア左角に立った左ウイングバック、ウナルにミドルパスを通し、プロッパーが決めた先制ゴールをお膳立てした。
「『相手がちょっと緩んだな』『ボールウォッチャーになってるな』。そういうところを俺は見ている。長短関係なく、そういうパスを多用して、攻撃のリズムを変えること・作ることが、理想とする選手です」
今回のNAC戦では、MFシェリーから落としのパスを受けた佐野が、ペナルティエリア右外からダイレクトでクロスを上げて、FW小川航基の頭に合わせた。
「深めの位置を取ってから、パスを落としてもらってダイレクトのクロス――。あの形はずっと狙ってますね。DFはラインを上げないといけないけれど、俺がダイレクトでクロスを蹴ることによってコンマ何秒か、ラインコントロールが遅れる。そこに航基くん、リンセンは入っていけるので、俺がGKとDFの間に(チップとインフロントの中間のようなキックで)フワリと上げるだけでチャンスになる。ドリブルで相手を剥がして入れるとか、単純に入れるとか、それでもいいんですけれど、もっと引き出しをいっぱい持って、クロスの上げ方を工夫しないといけません」