ジーコ氏が主宰するチャリティーマッチ「Zico All-Star Game For Peace HIROSHIMA 80 Years」が７月27日にエディオンピースウイング広島で開催され、ロナウジーニョ氏やセードルフ氏らが集結したワールドレジェンズと、宮本恒靖氏や小野伸二氏らを擁するジャパンレジェンズが対戦。前者が３－１で勝利を飾った。

　広島に詰めかけた１万5128人のサポーターが、スーパースターのプレーに酔いしれた。ただ、ワールドレジェンズの監督を担った中田英寿氏は、最後までピッチに立たなかった。そこには“プロフェッショナル”としての強いこだわりがあるようだ。

　キックオフに先立って行なわれたトークイベントで、城彰二氏、佐藤寿人氏と共に登壇したラルフ鈴木アナウンサーは、「彼はやっぱり『自分がベストの頃の印象で、皆さんの思いに留めてもらいたい』ということで、絶対にプレーしないんですよね」と語っていた。
 

　この先ずっと、プレーする姿は見られないのか。そんな考えが頭をよぎるなか、中田氏はチャリティーマッチ後に「自分もプレーしようとは思わなかったですか？」と問われ、こんな考えを明かした。

「まだちょっとね、トレーニング中で、もう少し状態が整ったら試合に出ようかなとは思ってるんですけど...ちょっとこれが、次のブラジルのマラカナン（で行なわれるジーコ氏のチャリティーマッチ）になるか分からないですけども、まだ調整中です。多分（今日）出てた選手の多くより走れるとは思うんですけど、ちょっとそのクオリティを考えると、もう少し練習が必要かなとは思ってます」

　やはりヒデは、とことんストイックだ。その全くブレない姿勢が人々の心を熱くするのである。

取材・文●有園僚真（サッカーダイジェストWeb編集部）

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