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【甲府】デビュー戦で初ゴールの新たな「10番」ドゥドゥは、クリスティアーノの穴を埋め切れるか?

カテゴリ:Jリーグ

橋本啓(サッカーダイジェスト)

2016年07月18日

クリスティアーノに比べ、テクニカルな側面がより目立つ。

1トップを務めたドゥドゥ(10番)は、限られたチャンスを活かし1ゴールデビュー。類まれな能力の片鱗を窺わせた。写真:J.LEAGUE PHOTOS

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[J1第2ステージ4節]甲府3-3鹿島/7月17日/中銀スタ
 
 甲府でのデビュー戦は、鮮烈だった。
 
 2-2で迎えた69分、敵陣左サイドでボールを受けると、巧みなターンで西大伍、植田直通を一気にかわす。エリア手前にすっぽりと空いたスペースから、右足でコントロールシュートを突き刺すと、スタジアムは歓喜に沸いた。
 
「(福田)健介がサイドでDFを吊ってくれたので、上手くマークを外せた。ゴールへの軌道が見えたのでそこを上手く狙えた」(ドゥドゥ)という一連のプレーは、まさにハイレベル。第1ステージ王者の鹿島からこの日二度目のリードを奪った事実はもちろん、デビュー戦で鮮やかなゴールを決めたことで、ファンの熱狂度を高めたのは間違いなかった。
 
 7月5日に加入が発表され、その翌日にチームへ合流。この試合に向けての準備期間は決して十分ではなかった。しかし、2014年に柏でプレー経験があり「チームの雰囲気に慣れるのも早かった」という。その甲斐あって、ピッチ上では表面上、戸惑う様子は見られなかった。
 
 1トップでの先発を言い渡されて臨んだこの試合では、前半から随所にドリブル突破やキープ力の高さを発揮し、19分に橋爪勇樹の縦パスに抜け出した流れからファーストシュート。守勢だったためチャンスは限られたが、前線で起点になるべく懸命に働く姿に、ベテランの土屋も「前線でファウルと取ったり上手くタメを作ってくれて素晴らしいプレーしてくれた」と賛辞を贈った。
 
 本職は1.5列目ながらも、「ブラジルでも1トップでのプレー経験はあるので、甲府でも問題はない。チームの勝利のためにどこでもやる。1試合でも多く出場したい」と意気込む新助っ人がいち早く結果を残したのは、下位に低迷するチームにとってなにより朗報と言えるだろう。
 
 そこで今後注目されるのは、今夏に柏へ移籍したクリスティアーノの穴を埋め切れる存在なのかということだ。
 
 この元エースの持ち味が、縦への直線的なドリブル突破と破壊力を秘めたシュート力にあるのに対し、ドゥドゥは狭い局面を打開するドリブルや細かなステップワーク、正確なシュートが真骨頂のように映る。つまり、前者がパワーを全面に押し出す一方で、テクニカルな側面がより目立つのだ。
 
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