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チェルシーがクラブW杯で8強進出も、英国内で関心は低いまま。試合内容よりも猛暑が話題。北中米W杯への懸念の声も【現地発】

カテゴリ:ワールド

田嶋コウスケ

2025年06月30日

「選手はそこに行きたがっていない」と苦言

チェルシーはフラメンゴに1-3で敗戦。ただ英国では試合内容より当日の猛暑が大きく報じられた。(C)Getty Images

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 米国で開催中のクラブ・ワールドカップに、イングランドからマンチェスター・シティとチェルシーの2クラブが参加している。

 ここまでチェルシーは4試合、マンチェスター・Cは3試合を消化した。チェルシーは、6月28日に行なわれた決勝トーナメント1回戦で激闘の末にベンフィカを下し、ベスト8に駒を進めた。

 しかしながら、イングランド国内では盛り上がりに乏しく、筆者の印象では「プレシーズンマッチ並みの熱量」にとどまっている。世間一般ではほぼ話題になっておらず、関心の低さが際立つ。

 英国の試合中継は、有料放送の『DAZN』と民放テレビ局『チャンネル5』が担当している。イングランド勢や注目カードは、民放の『チャンネル5』が放送し、全試合を英DAZNがカバーするという体制だ。しかしチャンネル5は英国内で最も規模の小さい放送局であり、このことからも大会そのものが低い注目度にとどまっている現状がうかがえる。

 大会前から、解説者たちもクラブW杯に対して批判的な見解を示していた。元イングランド代表DFで現解説者のジェイミー・キャラガー氏は、「選手、クラブ、サポーターにとってクラブ・ワールドカップへの関心はない」と断言。さらに「シーズン終了後の貴重な休暇期間中に大会が行なわれること自体、選手たちの意欲を損なう」として、「選手はそこに行きたがっていない」と苦言を呈した。

 さらに、スポーツサイトの『ジ・アスレティック』は「今回のクラブW杯における新フォーマットは、FIFAの意図するグローバル化と商業化の延長線上にある」と指摘。クラブレベルの国際大会については、イングランド国内では依然として「チャンピオンズリーグこそが最上位」という認識が根強く、今回のクラブW杯を「FIFAによる商業イベント」と冷ややかに見る向きも少なくない。
 
 イングランド国内での反響の薄さは、いくつかの具体例からも明らかである。

 ここまでチェルシー関連のニュースで大きく報じられたのは、グループステージ第3節が行なわれた米国フィラデルフィアの酷暑と、決勝トーナメント1回戦・ベンフィカ戦での落雷による約2時間の試合中断の2点である。

 たとえば米国フィラデルフィアの暑さについて、複数の英メディアは「現地の予想最高気温が37度の猛暑であることを理由に、チェルシーが試合前日の練習を早々と切り上げた」と報じた。

 エンツォ・マレスカ監督が「今朝のトレーニングセッションは早々に切り上げた。そうでないと試合に向け体力を温存できない。通常の練習は不可能。明日の試合のことだけを考え、明日に向けて計画を立てる。それしかできず、それ以上はできない」と、憮然とした表情で語っている。英BBCは「現地での体感温度が45度に達する見込みだ」と付け加えた。

 興味深いのは、チェルシーがグループステージ第2節で、ブラジルのフラメンゴに1-3で力負けした試合内容より、米国南部の酷暑が大きく報じられた点だろう。

 このような状況から、クラブW杯の開催是非に加え、来夏に北中米で予定されているW杯本大会への懸念の声も上がっている。実際に英BBCは「暑さの問題は他のクラブでも発生しており、来年の同時期にアメリカでW杯が共同開催されることへの懸念が高まっている」と疑問を呈している。

 さらに、レッドブル社のグローバルサッカー部門の責任者を務めるユルゲン・クロップ氏は、過密日程への懸念を次のように語っている。

「結局のところ、重要なのは試合そのものであり、それ以外の周辺要素ではない。そうした意味で、クラブ・ワールドカップは史上最悪のアイデアだ。現場を知らない、あるいはすでに離れてしまった人々が決めたものだ。昨年は南米選手権と欧州選手権があり、今年はクラブ・ワールドカップ。来年はワールドカップへと続く。出場選手たちは肉体的にも精神的にも、本当の意味で回復が望めない。リバプールのフィルジル・ファン・ダイクですら、彼のキャリアで得た休暇はNBA選手の年間オフシーズン(約4か月)に遠く及ばないのだから」

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