ゴール裏は、いまだ背もたれのないベンチシート
今回のクラブ・ワールドカップで使われている試合会場のひとつに、ロサンゼルス近郊のローズボウル・スタジアムがある。
アメリカにおいては、いわばカレッジフットボールの聖地のような場所だが、日本のサッカーファンにとっては、1994年アメリカ・ワールドカップ決勝の会場としての印象が強いだろう。
当時、日本ではロベルト・バッジョが絶大な人気を誇り、イタリア代表の人気も高かったが、そのバッジョが最後にPKを外し、ブラジル代表が4度目の優勝を果たした、という結末は実に劇的なものだった。
そのワールドカップ優勝メンバーがほどなく、ドゥンガやジーニョをはじめ、何人もJリーグでプレーすることになるのだから、今思えば、実に贅沢な話である。
そんな歴史的なスタジアムも31年の歳月を経て、VIP席や記者席は改修された。スタンドにも、当時はなかった大型ビジョンが設置されている。
だが、外観の印象はというと、当時とほとんど変わらず、外周からスタンドに通じる長い通路はゲートというより、トンネル。そんな雰囲気のある造りは、なかなかお目にかかれるものではない。ここでしか味わえない空気感が、間違いなくある。
ただ、その一方で、100年を超える歴史を持つスタジアムとあって、建物自体はかなり古く、世界が注目する大きな大会を開くには、お世辞にも使い勝手がいいとは言い難い。
ゴール裏は、いまだ背もたれのないベンチシートで、FIFAが定めるワールドカップ開催条件を満たしておらず、当然、来年のワールドカップでは使用されない。
来年の大会で使用される、同じロサンゼルス近郊のSoFiスタジアムは、対照的に最新鋭設備を詰め込んだような会場で、観戦環境において比べものにならないというのが現実だ。
仮に今後、アメリカで世界的なサッカーの大会が開かれるとしても、ここを使用することはなくなっていくのかもしれない。
【画像】バッジョ、ベッカム、ロナウドらが来場!アメリカで開催中のCWCに集結したレジェンドを紹介!
アメリカにおいては、いわばカレッジフットボールの聖地のような場所だが、日本のサッカーファンにとっては、1994年アメリカ・ワールドカップ決勝の会場としての印象が強いだろう。
当時、日本ではロベルト・バッジョが絶大な人気を誇り、イタリア代表の人気も高かったが、そのバッジョが最後にPKを外し、ブラジル代表が4度目の優勝を果たした、という結末は実に劇的なものだった。
そのワールドカップ優勝メンバーがほどなく、ドゥンガやジーニョをはじめ、何人もJリーグでプレーすることになるのだから、今思えば、実に贅沢な話である。
そんな歴史的なスタジアムも31年の歳月を経て、VIP席や記者席は改修された。スタンドにも、当時はなかった大型ビジョンが設置されている。
だが、外観の印象はというと、当時とほとんど変わらず、外周からスタンドに通じる長い通路はゲートというより、トンネル。そんな雰囲気のある造りは、なかなかお目にかかれるものではない。ここでしか味わえない空気感が、間違いなくある。
ただ、その一方で、100年を超える歴史を持つスタジアムとあって、建物自体はかなり古く、世界が注目する大きな大会を開くには、お世辞にも使い勝手がいいとは言い難い。
ゴール裏は、いまだ背もたれのないベンチシートで、FIFAが定めるワールドカップ開催条件を満たしておらず、当然、来年のワールドカップでは使用されない。
来年の大会で使用される、同じロサンゼルス近郊のSoFiスタジアムは、対照的に最新鋭設備を詰め込んだような会場で、観戦環境において比べものにならないというのが現実だ。
仮に今後、アメリカで世界的なサッカーの大会が開かれるとしても、ここを使用することはなくなっていくのかもしれない。
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そんなローズボウルで、現地時間6月23日、アトレティコ・マドリー対ボタフォゴの試合が行なわれた。両チームにとって、決勝トーナメント進出がかかった重要な一戦である。
サポーターの数ではボタフォゴが圧倒的に上回っていたが、彼らにとっても、ここは記念すべきスタジアムなのだろう。スタンド外周部に設置されたローズボウルのロゴの前で、あるいは巨大なスタンド内で、記念撮影に興じる人たちは多かった。
試合はというと、1-0でアトレティコの勝利。しかし、この結果、パリ・サンジェルマン、ボタフォゴ、アトレティコの3チームが勝点6で並び、得失点差によってアトレティコの敗退が決定した。
命拾いしたボタフォゴは、辛くもラウンド16進出。ローズボウルという、ブラジルにとってゲンの良い場所ならではの結末だったかもしれない。
ボタフォゴを率いるレナト・パイバ監督も、「疲労とメンタル面のせいで、後半45分は、順位表の全体的な結果を気にしながらプレーするようになった」と苦い敗戦を振り返りながらも、「私はここにいられることをとても嬉しく思い、チームの働きを誇りに思う」と、グループステージ突破を喜んだ。
ボタフォゴが次に対戦するのは、くしくも同国対決となるパルメイラス。果たして、これはゲンが良いのか、悪いのか。いずれにしても、どこか因縁めいていて面白い。
取材・文●浅田真樹(スポーツライター)
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命拾いしたボタフォゴは、辛くもラウンド16進出。ローズボウルという、ブラジルにとってゲンの良い場所ならではの結末だったかもしれない。
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ボタフォゴが次に対戦するのは、くしくも同国対決となるパルメイラス。果たして、これはゲンが良いのか、悪いのか。いずれにしても、どこか因縁めいていて面白い。
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