強豪クラブの優勝やCL出場権獲得に匹敵
イタリアはもう、「カテナッチョ(カテナチオ)」の国ではない。だが、守備が重視されるリーグなのは同じだ。セリエAでは今でも、失点数が少ないチームが優勝すると言われる。今季のナポリもそれを証明した。
だからこそ、イタリアにおいてGKは重要なポジションだ。そしてだからこそ、数々の優れた守護神を生んできた。ディノ・ゾフやジャンルイジ・ブッフォン、現在のジャンルイジ・ドンナルンマまで、“アッズーリ”の歴史には偉大な選手たちの名が連なる。
そんな国で外国人がのし上がるのは、容易なことではない。まして、東洋からベルギー経由でやって来た、5大リーグ初挑戦の21歳とあれば、懐疑的な目を向けられるのも当然だ。鈴木彩艶のパルマ移籍を受け、成功を確信していたファンやメディアは少なかっただろう。
しかし、セリエA挑戦1年目の鈴木の活躍は周知の通りだ。出場停止の1試合を除き、リーグ戦37試合に出場。開幕当初、ポジションを争ったのが遠い昔のようだ。ライバルだったレアンドロ・チチソラはその後、出場機会を求めてパルマを去った。
スタッツだけ見ると、決して芳しい数字ではない。チームの総失点58はリーグワースト4位タイ。クリーンシートは7回に留まる。鈴木は何度もネットを揺らしたボールを拾わなければならなかった。ただそれは、格上相手でも攻めの姿勢を貫いたファビオ・ペッキア前監督のスタイルが一因だ。
【動画】現地メディアが絶賛した鈴木彩艶の好セーブ
だからこそ、イタリアにおいてGKは重要なポジションだ。そしてだからこそ、数々の優れた守護神を生んできた。ディノ・ゾフやジャンルイジ・ブッフォン、現在のジャンルイジ・ドンナルンマまで、“アッズーリ”の歴史には偉大な選手たちの名が連なる。
そんな国で外国人がのし上がるのは、容易なことではない。まして、東洋からベルギー経由でやって来た、5大リーグ初挑戦の21歳とあれば、懐疑的な目を向けられるのも当然だ。鈴木彩艶のパルマ移籍を受け、成功を確信していたファンやメディアは少なかっただろう。
しかし、セリエA挑戦1年目の鈴木の活躍は周知の通りだ。出場停止の1試合を除き、リーグ戦37試合に出場。開幕当初、ポジションを争ったのが遠い昔のようだ。ライバルだったレアンドロ・チチソラはその後、出場機会を求めてパルマを去った。
スタッツだけ見ると、決して芳しい数字ではない。チームの総失点58はリーグワースト4位タイ。クリーンシートは7回に留まる。鈴木は何度もネットを揺らしたボールを拾わなければならなかった。ただそれは、格上相手でも攻めの姿勢を貫いたファビオ・ペッキア前監督のスタイルが一因だ。
【動画】現地メディアが絶賛した鈴木彩艶の好セーブ
実際、2月中旬にクリスティアン・キブ現監督が就任し、堅実な戦い方を取り入れてから、パルマの守備は改善された。前述のクリーンシート7回のうち、5回はキブ政権になってからのものだ。1試合あたりの失点は、ペッキア体制の1.76から1.08に減った。
つまり、鈴木はイタリアでの1年目で、2つの異なるチームスタイルを経験したと言えるだろう。そしてそのどちらでも、日本代表守護神は評価を高めたのである。
イケイケモードのペッキア体制では、身体能力の高さを活かしたシュートストップに加え、高精度のキックを駆使したビルドアップが絶賛された。年明けにマンチェスター勢やバイエルンといった強豪からの関心も騒がれたのは記憶に新しい。
一方で、判断力は課題とされた。第3節のナポリ戦では、ペナルティエリアの外に飛び出した際のプレーで一発退場になり、チームの逆転負けを導くことに。大きな批判を浴び、以降もハイボールの処理など、判断力を巡る懸念の声は絶えなかった。
しかし、残留争いが本格化した終盤戦、鈴木はさらにひと皮むける。キブの下で課題とされた判断力も向上し、安定感がアップ。チームに安心を伝える存在との評価も見られるようになった。閉幕に向け、存在感を増していったのだ。
そして第37節、優勝を争っていたナポリとの大一番で、スコット・マクトミネイの直接FKを止めた場面は、残留を引き寄せる決定的なセーブだったと言えるだろう。
昇格組のパルマにおける残留は、強豪クラブの優勝やチャンピオンズリーグ出場権獲得に匹敵する。そんな重要な結果に、鈴木は大きな足跡を残したのである。
つまり、鈴木はイタリアでの1年目で、2つの異なるチームスタイルを経験したと言えるだろう。そしてそのどちらでも、日本代表守護神は評価を高めたのである。
イケイケモードのペッキア体制では、身体能力の高さを活かしたシュートストップに加え、高精度のキックを駆使したビルドアップが絶賛された。年明けにマンチェスター勢やバイエルンといった強豪からの関心も騒がれたのは記憶に新しい。
一方で、判断力は課題とされた。第3節のナポリ戦では、ペナルティエリアの外に飛び出した際のプレーで一発退場になり、チームの逆転負けを導くことに。大きな批判を浴び、以降もハイボールの処理など、判断力を巡る懸念の声は絶えなかった。
しかし、残留争いが本格化した終盤戦、鈴木はさらにひと皮むける。キブの下で課題とされた判断力も向上し、安定感がアップ。チームに安心を伝える存在との評価も見られるようになった。閉幕に向け、存在感を増していったのだ。
そして第37節、優勝を争っていたナポリとの大一番で、スコット・マクトミネイの直接FKを止めた場面は、残留を引き寄せる決定的なセーブだったと言えるだろう。
昇格組のパルマにおける残留は、強豪クラブの優勝やチャンピオンズリーグ出場権獲得に匹敵する。そんな重要な結果に、鈴木は大きな足跡を残したのである。