この楽しい祭りを終えたくない――サポーターは歌い続けた。
初出場アイスランドの冒険は、ベスト8で終止符が打たれた。
前半で4-0と勝負は早々と決まってしまったが、そうなったのも無理はない。
スタメンは過去4試合と全く同じ。選手層が薄いこともあって同じメンバーで戦ってきたが、さすがに疲労は隠せなかった。
序盤からボールへの反応が鈍く、フランスの出足とテクニックに揺さぶられた。
スタメンの顔ぶれとともに、過去4試合のアイスランドには興味深いデータがある。
全ての試合でボール支配率が30パーセント台ということだ。つまり、押し込まれるのは彼らのリズム。だが12分、20分と早い時間帯に立て続けに失点したことで、根競べをする以前に、フランスの勢いに飲み込まれてしまった。
もっとも、アイスランドが好印象を残したことは疑いない。
前半の大量失点で言葉を失っていたサポーターたちは、後半になると再び迫力溢れる応援を繰り広げ、チームを奮い立たせた。
チームも、この大声援に応える。
積極果敢にフランス陣内に攻め込み、56分にシグソールソンが、83分にB・ビャルナソンがゴールを決め、サポーターたちを狂喜させた。すでにチームは偉業を成し遂げていたが、そのことに満足せず、最後までアイスランドらしさを貫いた。
試合後、アイスランドのサポーターたちは、すっかりお馴染みになった「ウッ!」の手拍子で選手たちを讃えた。雨のサンドニに、サポーターたちの歌声がこだまする。
選手たちがピッチを立ち去った後も、アイスランドのサポーターたちはスタンドに残り、この夏に定着したコールを延々と繰り返した。この楽しいお祭りを終えたくない、という気持ちが痛いほど伝わってきた。
選手たちも、その気持ちは同じだったのだろう。背番号10のG・シグルドソンは再びピッチに戻り、サポーターにスパイクをプレゼントして別れを惜しんでいた。
国中を熱狂させたアイスランドのEUROは終わった。だが、物語には続きがあるかもしれない。
アイスランドの躍進は決してフロックではない。この15年来の選手、指導者の育成の賜物。サッカーが伸びていく下地は、すでにできているからだ。
ひたむきなバイキングたちは、2年後のロシア・ワールドカップに再び襲来するかもしれない。
現地取材・文:熊崎 敬
【PHOTOギャラリー】アイスランドの健闘も及ばず。フランスが大量得点で快勝!
前半で4-0と勝負は早々と決まってしまったが、そうなったのも無理はない。
スタメンは過去4試合と全く同じ。選手層が薄いこともあって同じメンバーで戦ってきたが、さすがに疲労は隠せなかった。
序盤からボールへの反応が鈍く、フランスの出足とテクニックに揺さぶられた。
スタメンの顔ぶれとともに、過去4試合のアイスランドには興味深いデータがある。
全ての試合でボール支配率が30パーセント台ということだ。つまり、押し込まれるのは彼らのリズム。だが12分、20分と早い時間帯に立て続けに失点したことで、根競べをする以前に、フランスの勢いに飲み込まれてしまった。
もっとも、アイスランドが好印象を残したことは疑いない。
前半の大量失点で言葉を失っていたサポーターたちは、後半になると再び迫力溢れる応援を繰り広げ、チームを奮い立たせた。
チームも、この大声援に応える。
積極果敢にフランス陣内に攻め込み、56分にシグソールソンが、83分にB・ビャルナソンがゴールを決め、サポーターたちを狂喜させた。すでにチームは偉業を成し遂げていたが、そのことに満足せず、最後までアイスランドらしさを貫いた。
試合後、アイスランドのサポーターたちは、すっかりお馴染みになった「ウッ!」の手拍子で選手たちを讃えた。雨のサンドニに、サポーターたちの歌声がこだまする。
選手たちがピッチを立ち去った後も、アイスランドのサポーターたちはスタンドに残り、この夏に定着したコールを延々と繰り返した。この楽しいお祭りを終えたくない、という気持ちが痛いほど伝わってきた。
選手たちも、その気持ちは同じだったのだろう。背番号10のG・シグルドソンは再びピッチに戻り、サポーターにスパイクをプレゼントして別れを惜しんでいた。
国中を熱狂させたアイスランドのEUROは終わった。だが、物語には続きがあるかもしれない。
アイスランドの躍進は決してフロックではない。この15年来の選手、指導者の育成の賜物。サッカーが伸びていく下地は、すでにできているからだ。
ひたむきなバイキングたちは、2年後のロシア・ワールドカップに再び襲来するかもしれない。
現地取材・文:熊崎 敬
【PHOTOギャラリー】アイスランドの健闘も及ばず。フランスが大量得点で快勝!