【バイタルエリアの仕事人】vol.51 城福浩|現代はバイタルエリアに入るために高度な技術や判断が必要。その度合いからサッカーの進歩がよく分かる
カテゴリ:Jリーグ
2025年04月23日
場所はボヤっとしていていい
サッカーにおける攻守の重要局面となる「バイタルエリア」。ゴールや失点に直結する“勝負の肝”となるスペースに関して、当事者はどのように考えているのか。そのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第51回は、東京ヴェルディの城福浩監督だ。
1961年生まれの城福監督は現役時代、JSLの2部だった富士通(現・川崎フロンターレ)などでプレー。引退後は一時期、同社で社業に専念してから指導者に転身し、富士通の監督を務めた。
その後は、世代別の日本代表やFC東京、ヴァンフォーレ甲府、サンフレッチェ広島で指揮を執り、22年途中に東京Vの監督に就任。翌年は、チームをJ2・3位とJ1昇格プレーオフ優勝に導き、24年には6位に躍進させた。
通算では、J1で132勝、J2では55勝。確かな実績を持つ64歳に、バイタルエリアについて訊いた。
――◆――◆――
バイタルエリアは、名前の通り、生命線。攻守において非常に重要な場所と捉えています。中央の、ポジションでいえばボランチとセンターバックの間、そのあたりのエリアだと認識しています。
明確に“ここ”というのではなく、ボヤっとしていていいと思います。たとえば、ボールがサイドにあれば、そこからゴールと結んだ直線上の楕円形のエリアになります。だから、ど真ん中とは限りません。ボールがサイドになれば、少し横にずれる。それぐらいのイメージですね。
1961年生まれの城福監督は現役時代、JSLの2部だった富士通(現・川崎フロンターレ)などでプレー。引退後は一時期、同社で社業に専念してから指導者に転身し、富士通の監督を務めた。
その後は、世代別の日本代表やFC東京、ヴァンフォーレ甲府、サンフレッチェ広島で指揮を執り、22年途中に東京Vの監督に就任。翌年は、チームをJ2・3位とJ1昇格プレーオフ優勝に導き、24年には6位に躍進させた。
通算では、J1で132勝、J2では55勝。確かな実績を持つ64歳に、バイタルエリアについて訊いた。
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バイタルエリアは、名前の通り、生命線。攻守において非常に重要な場所と捉えています。中央の、ポジションでいえばボランチとセンターバックの間、そのあたりのエリアだと認識しています。
明確に“ここ”というのではなく、ボヤっとしていていいと思います。たとえば、ボールがサイドにあれば、そこからゴールと結んだ直線上の楕円形のエリアになります。だから、ど真ん中とは限りません。ボールがサイドになれば、少し横にずれる。それぐらいのイメージですね。
攻撃では、そこに入っていけると、ゴールに直結するプレーもできる。個人で入っていくのも、パスを使って入っていくのも、すごく重要で、局面が一気に変わりうるような場所です。
守備では、そこで圧力をかけられないと“緩い守備”になってしまう。守備の厳しさに直結する指標にもなる場所だと思います。
バイタルエリアを制するのは大事です。その手法は攻守で異なります。
攻撃では、そこにボールが入っていく頻度や、そこで失わないことが重要です。もっと言えば、前を向いて、プレーの選択肢を持つこと。それが制する、主導権を握ることになります。
守備では、そこにボールを入れさせない、入られたとしても、前を向かせないようにしたり、制限をかけて、主導権を渡さないことです。
近代サッカーでは、バイタルエリアで、攻撃側に与えられるスペースと時間は少なくなっていますよね。入っていくために、高度な技術や判断を要求されているのが、まさにサッカーの進歩だと思います。その度合いを見れば、サッカーの進歩がよく分かるようなエリアと言えるのではないでしょうか。
【画像】東京ダービーに声援を送り続けるた東京ヴェルディサポーター!
守備では、そこで圧力をかけられないと“緩い守備”になってしまう。守備の厳しさに直結する指標にもなる場所だと思います。
バイタルエリアを制するのは大事です。その手法は攻守で異なります。
攻撃では、そこにボールが入っていく頻度や、そこで失わないことが重要です。もっと言えば、前を向いて、プレーの選択肢を持つこと。それが制する、主導権を握ることになります。
守備では、そこにボールを入れさせない、入られたとしても、前を向かせないようにしたり、制限をかけて、主導権を渡さないことです。
近代サッカーでは、バイタルエリアで、攻撃側に与えられるスペースと時間は少なくなっていますよね。入っていくために、高度な技術や判断を要求されているのが、まさにサッカーの進歩だと思います。その度合いを見れば、サッカーの進歩がよく分かるようなエリアと言えるのではないでしょうか。
【画像】東京ダービーに声援を送り続けるた東京ヴェルディサポーター!