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「しゃべりすぎると泣いちゃいそう」サガン山田寛人が最前線抜擢に応える。思いが詰まった2発「ラストチャンスの気持ちでやりました」

カテゴリ:Jリーグ

元川悦子

2025年04月14日

31分、73分にネットを揺らす

長崎戦で今季初弾を含む2得点の山田。(C)J.LEAGUE

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 ジェフユナイテッド千葉やRB大宮アルディージャが快走するなか、前評判の高かったチームが苦戦を強いられている2025年のJ2。2011年以来のJ2参戦となっているサガン鳥栖も、開幕3連敗という非常に苦しいスタートを余儀なくされた。

 そこからいわきFCに引き分け、大宮、カターレ富山に勝って連勝。ロアッソ熊本には敗れたものの、藤枝MYFCに勝利と少しずつ浮上の兆しが見え始めている。

 こうしたなかで迎えた4月13日のV・ファーレン長崎とのダービーマッチ。隣県のライバル同士の対戦とあって、ピーススタジアムには1万9082人というJ2基準をはるかに上回る大観衆が集結。今季からチームを率いる小菊昭雄監督もアウェーで白星を挙げ、大きく弾みをつけたいと考えていたはずだ。

 そこで今回、指揮官はセレッソ大阪時代からの秘蔵っ子・山田寛人を最前線で起用した。

「我々は今、センターフォワードに怪我人が続出している。山田も怪我やコンディション面で苦しんだが、ようやく戻ってきたところ。それに彼はもともとフォワードの選手。器用なプレーヤーなので、4-4-2のサイドハーフ、4-2-3-1のセカンドトップ、今季のシャドーと、いろんなポジションで使ってきましたけど、やはり生粋のストライカー。彼の能力が生きるようにシフトチェンジしました」と小菊監督は言う。

 山田はハイプレスのスイッチ役として前線からハードワークを披露。攻撃時にはしっかりとボールを収めて起点を作った。シャドーに回ったヴィキンタス・スリヴカは低い位置まで下りてつなぎ役を務め、もう1人のシャドー西川潤も右の松田詠太郎と連係しながらスペースを突くなど、前半から良い関係性が構築されていた。
 
 迎えた31分。彼も小菊チルドレンの1人である左ウイングバックの新井晴樹が、高い位置で長崎の右SB関口正大からボールを奪取。これをスリヴカが持ち込み、左から折り返したところに飛び込んだのが山田。待望の今季初ゴールを挙げ、鳥栖が1点をリードした。

 後半は長崎もギアを上げてきて、鳥栖は自陣に下げられ守勢一辺倒の展開に。それでも何とか耐え忍び、73分の追加点につなげる。クイックリスタートからボランチの櫻井辰徳が絶妙なスルーパスを前線に供給。オープンスペースに抜け出した山田が左足を一閃。完璧に決め切ったゴールだった。

「久々に感覚を思い出したじゃないですけど、正直、情けないなと(苦笑)。ここ2年はだいぶ苦しかった。いろいろしゃべりすぎると泣いちゃいそうになりますけど...。それくらい嬉しい2得点でしたね」と山田は試合後、しみじみと語っていたが、ここまでのキャリアは本当に紆余曲折の連続だったのだ。

 2018年にC大阪のトップに昇格してからというもの、山田はFC琉球、ベガルタ仙台へのレンタル移籍を繰り返した。近年は2023年に仙台で過ごし、34試合に出場して2ゴール。この実績を引っ提げ、24年はC大阪で勝負をかけたが、まさかの13試合出場で無得点に終わり、落胆は大きかったに違いない。

 こうした悪循環を払拭すべく、今季は鳥栖に新天地を求め、小菊監督と再び共闘することになった。西川、松本凪生などC大阪から赴いた選手は他にもいるが、彼らがレンタルなのに対し、山田は完全移籍。失敗しても戻る場所はない。そのくらいの強い覚悟と決意を持って2025年シーズンに挑んでいるのだ。

【動画】CF起用に一発回答! サガン山田寛人の2ゴール
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