開幕は４バックで臨むものと思われる。これは公開された沖縄での３チーム（FC琉球、八戸、沖国大）との練習試合を踏まえてのこと。長谷部茂利監督は前所属の福岡で３バックを採用していたが、それを落とし込むには時間が掛かりそうで、また長谷部監督自身が１月25日の取材時に「５枚で後ろをやる、３枚でやるというのは少し難しいと思います。本当にゼロからのスタートになるので」と述べていたため。なお、練習試合では４－２－３－１を採用しており、これがベースになりそう。

　GKはチョン・ソンリョンが出遅れていたが、シーズン開幕までには調整してくるものと想像。ただし２番手に予想している山口瑠伊も力のある選手なだけにポジション争いは激しそう。

　最終ラインは左のセンターバックの層が分厚く一番手が読めない。現状は車屋紳太郎と予想しているが、丸山祐市はコーチングで周りを動かせる選手なだけにどちらが出てきても不思議ではない。

　佐々木旭とファンウェルメスケルケン際が激しくポジション争いする右サイドバックも予想が難しいポジションだった。

　開幕のボランチは、山本悠樹、河原創のコンビに対し、橘田健人が挑む構図か？ FC琉球戦に出場していた大島僚太が万全であれば、当然ポジション争いに加われる選手だ。また、トップ下に予想している脇坂泰斗をボランチ起用するプランもありえる。

　ボランチ、もしくはトップ下候補としては、福島からの復帰の大関友翔の名前も挙げたいが、開幕時にはU-20アジアカップを戦うU-20日本代表に招集されており出場はできない。その大関に加え、ワントップ候補の神田奏真、右CBの土屋櫂大も川崎から招集されている。U-20ワールドカップ出場権獲得の勲章を手に、チームに帰還することを望みたい。ちなみに神田はJFAとの協議のもと、ACLE出場後に代表に合流するとのことだ。
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　左のサイドハーフにはマルシーニョを予想しているが、新加入の伊藤達哉を起用の可能性もある。家長昭博は実力が分かっていることもあるのか、練習試合では２番手の起用に見えたが、やはり試合に入ると時間を作れる選手で周囲との連係もスムーズ。右サイドハーフの有力候補のひとりであるのは間違いない。

　１トップのポジション争いは、山田新とエリソンが第一候補になりそう。山田は昨季の結果と新監督を迎えたチーム事情を考えると一歩リードか。エリソンはパワーが魅力で、また守備でも圧力を掛けられる選手だが、前からの守備の判断について、合宿時点ではチームメイトとの共通認識を持ちきれていないようで、多少難しさがあるようだ。

　なお、長谷部監督は複数の選手に意外なポジションを任せるなど、選手の新たな側面を引き出そうとしていた。前述の脇坂をはじめとして、宮城天や山内日向汰、静岡学園高から新卒加入の野田裕人といった選手たちをボランチで起用する場面も。

　また大胆な起用という文脈では、沖縄合宿にひとりだけ通しで参加していたFWの練習生に比較的長い時間を与え、練習試合でプレーさせたりしていた。シーズン中の抜擢があるのかどうか、気になるところだ。

取材・文●江藤高志（川崎フットボールアディクト）

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