自分の人生を変えてくれたのは、このボレーシュート
攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第48回は、元日本代表の李忠成氏だ。
努力を重ねていれば、人生で何度かチャンスが訪れる。真価が問われるのは、それをモノにできるかだ。サッカー選手として数々の成功を収めると同時に、耐え難い挫折を味わった39歳に話を訊いた。
【前編】vol.48 李忠成|「僕は何人?」韓国代表での出来事。感情から感動が消えた2年間も回想「俺、何やってんだ」
前編では小学生時代から、画面越しに見た南アフリカ・ワールドカップまでを語ってもらった。後編のエピソードは、自身の代名詞となった2011年のアジアカップ決勝、オーストラリア戦でのスーパーボレーからだ。
パブリックビューイングで酒を片手にエールを送る“一般客”から、ついに日本代表入りを果たした不屈のストライカーが、長友佑都の絶妙なクロスに合わせ、大仕事をやってのけた。
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努力を重ねていれば、人生で何度かチャンスが訪れる。真価が問われるのは、それをモノにできるかだ。サッカー選手として数々の成功を収めると同時に、耐え難い挫折を味わった39歳に話を訊いた。
【前編】vol.48 李忠成|「僕は何人?」韓国代表での出来事。感情から感動が消えた2年間も回想「俺、何やってんだ」
前編では小学生時代から、画面越しに見た南アフリカ・ワールドカップまでを語ってもらった。後編のエピソードは、自身の代名詞となった2011年のアジアカップ決勝、オーストラリア戦でのスーパーボレーからだ。
パブリックビューイングで酒を片手にエールを送る“一般客”から、ついに日本代表入りを果たした不屈のストライカーが、長友佑都の絶妙なクロスに合わせ、大仕事をやってのけた。
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やっぱり自分の人生を変えてくれたのは、このボレーシュートです。ボレーシュートに行き着くまでも自分の夢、目標である海外移籍を念頭に置いていて、サンフレッチェ広島から日本代表になって、日本代表で活躍する姿を世界に見てもらうことを考えていたので、とにかくこの時は生き残るために必死でしたね。
点を取らなきゃフォワードは生き残れないので、このシュートで点を取った時も嬉しいというよりも、次もまた日本代表に選ばれると、ほっとしてたんですよ。
試合に出る前は「早く出せよ」とも、もちろん思っていましたし、0-0がずっと続いていたので、「俺のために舞台を整えてくれてありがとう」って本当に思っていましたね。
僕と長友の必殺技、それこそあれはバイタルエリアが合わさったシュートです。長友のバイタルエリアってクロスを上げるあのポジションなんですよ。相手よりもわざとちょっと遠目にボールを運んで、相手が足を出せないところでクロスを上げるので。クロスを上げる時も、彼は右利きだけど、左足でこするように上げるんです。ボールが横回転になるような。
彼が得意とする技は、あのバイタルエリアでしか出せないものであって、彼のクロスって速いボールはないんですよ。長友の左足の低くて速いボールをあまり見たことがないじゃないですか。こすって、上手くふわんって上がるボールが彼の必殺技です。それを見越して僕も相手をニアにつって、落ちてくるところでわざと待って、自分が得意なボレーシュートで決めました。
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点を取らなきゃフォワードは生き残れないので、このシュートで点を取った時も嬉しいというよりも、次もまた日本代表に選ばれると、ほっとしてたんですよ。
試合に出る前は「早く出せよ」とも、もちろん思っていましたし、0-0がずっと続いていたので、「俺のために舞台を整えてくれてありがとう」って本当に思っていましたね。
僕と長友の必殺技、それこそあれはバイタルエリアが合わさったシュートです。長友のバイタルエリアってクロスを上げるあのポジションなんですよ。相手よりもわざとちょっと遠目にボールを運んで、相手が足を出せないところでクロスを上げるので。クロスを上げる時も、彼は右利きだけど、左足でこするように上げるんです。ボールが横回転になるような。
彼が得意とする技は、あのバイタルエリアでしか出せないものであって、彼のクロスって速いボールはないんですよ。長友の左足の低くて速いボールをあまり見たことがないじゃないですか。こすって、上手くふわんって上がるボールが彼の必殺技です。それを見越して僕も相手をニアにつって、落ちてくるところでわざと待って、自分が得意なボレーシュートで決めました。
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