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珍しきセカンドキャリア。“ケーキ”の名を持つ元GKが群馬とともに歩むメッセージ性に富んだ第2の挑戦

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2024年12月25日

チョコレート作りに挑戦中

自らブランディングしたチョコを手に持つ清水さん。新たな挑戦に邁進中だ。(C)SOCCER DIGEST

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 大宮などでもプレーし、地元の群馬で昨季限りでの引退を決めたGK清水慶記。元から興味のあった菓子作りの道へ進み、現在はクラブでも様々な肩書きを持ちながら、「よろこびをしるす。」というブランド名でチョコ作りに励んでいる。

 その第2の人生はクラブ、スポンサーを巻き込んだ予想だにしない広がりを見せている。現役選手や転職を考えている人たちにとってもメッセージ性のある、彼のセカンドキャリに迫ってみよう(全2回/1回目)

――◆――◆――

“ケーキ”の名を持つ男がお菓子作りへ。

 ダジャレのような話だが、男の挑戦には熱い想いがこもっている。

 清水慶記(しみず・けいき/39歳)。

 群馬県前橋市出身のGKは、前橋商業高、流通経済大を経て、2008年に大宮に入団。その後、2016年に地元の群馬へ移籍し、2018年に秋田、2019年に大宮を挟み、2020年から再び群馬でプレー。昨年、2023年限りでスパイクを脱ぐ決断をした。

 通算出場数はJ1で10試合、J2で130試合、J3で18試合の計158試合。チームにひとつのポジションしかないGKという独特の世界で、ピッチ外で短くない時間を過ごしながら、己の身体と技術を武器にプロという厳しい海原で戦い続けてきた。

 気付けばJリーガーとしての生活も優に10年を超えていた。しかし、誰もが遅かれ早かれ迎えるのが引退のふた文字。サッカーに身も心も投じてきた多くの男たちが、頭を悩ませるのがセカンドキャリアである。

 清水自身も表現が難しい想いを常に抱え続けてきた。

「僕も現役中はずっとセカンドキャリアをどうしようかなっていう想いが、頭の片隅のどこかに常にぼんやりあるような感じでプレーしていました。それは他の選手たちも同じだと思います」

 物価高騰、年金問題など暗いニュースが多い昨今の日本、不安を抱えている選手は多いに違いない。

 そのなか、清水は自身の姿が、ひとつのモデルケースになることを願っている。それはこれまで育ててくれたサッカー界への恩返し、多くの選手たちの助けになると信じているからこそである。
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 冒頭の言葉でも分かる通り、清水は現在「株式会社JOYNOTE」を立ち上げ、「よろこびをしるす。」(慶びを記す、という名前にちなんだネーミング)というブラン名でチョコ作りに邁進中だ。実際に食べさせてもらったが、贈答品などにもピッタリのラインナップとなっている。その一方で、自身は群馬のアカデミーGKコーチ、クラブアンバサダー、義理の父の電気工事の会社も手伝う4足のわらじを履く忙しい毎日でもある。

 第2の人生で自分がやりたかったことに向き合う。これはよくある話である。ただ、清水の場合は事情がちょっと違う。彼は現役中に思い切って自分の想いを周囲にぶつけ、クラブやスポンサーなど周りの人たちを巻き込んでひとつの活動にしてきたのである。

 改めて今の想いを口にする。

「ただ単に忙しいだけなのかもしれませんが(笑)、忙しいのはありがたいと言いますか、動けることがあるってすごく幸せなことだなと。次につながる、将来につながるようなことを今、このタイミングでしていきたいと思っています。

 最終的には、やっぱり自分の事業でご飯を食べられるようになることを証明したいです。そして、クラブにも、クラブのスポンサーの方々にも支援していただきながら、僕がセカンドキャリアに移行できた姿が、何かのロールモデルになればという想いもありますね。

 こういうやり方で成功できたんだよっていう実例を作りたいと言いますか、今はその種まき期間とも捉えていて、いろんなことに挑戦しながらどんどん自分の事業を大きくできるように行動しています。

 最終目標は、僕みたいにセカンドキャリアで悩んでいた選手たちに就職先として選んでもらえるような、スキルアップして自分のやりたいことにつなげてもらえるような場所にしていきたいです。そして、多くの人たちの支援をできるような形を作っていければいいなと思っていますね」

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