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“世代屈指のアタッカー”名和田我空はG大阪で輝けるか? 出番さえ掴めば、プロでも通用する可能性は高い。課題はプレー強度だが…

カテゴリ:高校・ユース・その他

森田将義

2024年12月17日

「プロで1年目から戦える身体を作りたい」

2025年シーズンからの加入が内定した神村学園の名和田。注目の大器はプロの舞台で輝けるか。写真:森田将義

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 ガンバ大阪は12月15日、MF名和田我空(神村学園高/3年)の2025年シーズンからの加入内定を発表した。

 海外クラブからの関心が伝えられていただけに、名和田のG大阪入りは意外と思われる決断だったかもしれない。ただこの1年、本人は進路について明言を避けながらも、国内外問わず自らに合った進路を選びたいとの考えを常に口にしてきた。

 今年2月の九州新人大会ではこんな言葉を残している。

「もちろん海外志向はありますが、進路は大事なので慎重に考えている。プロの練習会にも行けているので、自分が成長するために色んな選手のプレーを見ています。吸収して今年一年はプロで1年目から戦える身体を作りたい」

 高校3年間、高体連のどの選手よりもアジアや世界での戦いを経験してきた。年代屈指のタレントとあって、早くから獲得に興味を示すJクラブも多く、長期休みがあると高1の冬から練習参加を繰り返してきた。

 今夏のインターハイ後には1か月にわたってヨーロッパのクラブにも練習参加。常に自らの現状と国内トップクラスや世界の基準と照らし合わせて、成長に繋げてきた。

 そうした力試しの場で手応えを感じていたのは、オフザボールの部分だ。止める、蹴るといった基本技術の質や、シュート精度の高さなど、ゴール前でのクオリティはJリーガーや海外の選手の交じっても通用し、本人も自信を感じていたという。パス、ドリブル、シュートと得点に繋がるプレー判断の正確さは高校入学時から、彼の持ち味だったため、出番さえ掴めればG大阪に入ってからも通用する可能性は高い。

 フラットに実力を評価してくれやすい外国人監督(ダニエル・ポヤトス監督)が指揮を執るのは利点でもあり、前の選手は交代で出場機会を掴みやすいのも追い風だ。同じセカンドトップタイプのFW宇佐美貴史のプレーを間近で見て学べるのも彼にとって好都合だろう。
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 一方で明確な課題として本人が認識していたのはプレー強度だ。身長169センチ、体重63キロのプロフィールは同年代の選手と比べても小柄で、決して足が速いタイプではない。そうしたフィジカルベースの差を世界大会で痛感してきたため、この1年間は特に筋トレや走力の強化に力を入れてきたと今夏のインターハイ前に明かしている。

「今年はフィジカル的に去年、一昨年とは比べ物にならないぐらいやっているので、走れている実感がある。走れている試合では昨年の数倍ぐらい走っている」

 筋トレもチームとしてのトレーニングだけでなく、自主練でも実施。上半身の筋肉は高校に入ってから見違えるほどになった。そうした走力、筋力をベースにした守備の意識は年々高まっており、ボールを失ったら素早く切り替え、かわされても粘り強く何度も追い掛ける姿が板に付いてきた。

 ただ、それでも世界に目を向けると、自分よりも一回りも二回りも身体が大きい選手がたくさんいて、闘争心を全面に押し出してボールを奪いにくる。まずは、さらなるプレー強度のアップに取り組まなければならないが、今後について名和田は以前、こう語っていた。

「戦うためには、守備の強度がベースになってくるので、まだまだ上げなければいけない。それに、ゴール前でボールを貰ったらサイドネットに百発百中で決められるシュートを身に付けたい。自分はセンターフォワードというタイプよりは、一列下やトップ下で相手が嫌がるポジションを取り続けるのが特徴。足もとに入れば自信があるのですが、これからはマークが厳しくなってくると思うので、オフザボールで相手を外す動きを身に付けたい」

 現状での課題は明確だが、本人もこのままではいけないと実感しており、高校3年間、ずっと努力してきた。プレー以上に評価したいのが、そうした現状に満足しない飽くなき向上心。プロ入り後も目標である世界一のサッカー選手を目ざして、努力し続けるだろう。

 これまでより挑むステージが上がるが、名和田我空がピッチで躍動する日はそう遠くないと信じている。

取材・文●森田将義

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