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シーズンを通じて“何かが足りなかった”2024年の鹿島。鬼木達新監督に託された再建のポイントは?

カテゴリ:Jリーグ

元川悦子

2024年12月13日

いち早く2025年以降に舵を切ったということなのだろう

24年は5位でフィニッシュの鹿島。絶対エース鈴木は15得点と十分な活躍を見せた。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

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 ヴィッセル神戸の連覇で幕を閉じた2024年のJ1。今季こそ2016年以来の王者奪還・常勝軍団復活を目ざした鹿島アントラーズだったが、最終的には5位でフィニッシュ。アジア・チャンピオンズリーグ圏内にも手が届かなかった。

 ルヴァンカップは3回戦で敗退、天皇杯はベスト8止まりとカップ戦も逃し、これで8年間、国内タイトル無冠という現実が重くのしかかっている。

 ご存じの通り、今季の鹿島はFC町田ゼルビアなど国内複数クラブで指揮を執ったランコ・ポポヴィッチ監督率いる新体制でスタートした。昌子源(町田)が移籍し、荒木遼太郎がFC東京へレンタルで赴くなど、2023年のメンバーが複数人、外へ出たにもかかわらず、補強が少ない状況だっただけに、開幕前から懸念される要素はあった。しかもキャプテンの柴崎岳がキャンプで負傷。長期離脱する事態に陥り、暗雲が立ち込めた。

 そのなかでポポヴィッチ監督はFWの知念慶をボランチにコンバートし、その知念が開幕の名古屋グランパス戦から対人の強さを発揮し、佐野海舟(現マインツ)とともに中盤に安定感をもたらした。

 さらに大卒ルーキーの右サイドバック濃野公人が開幕スタメンを奪取。彼の得点能力を活かす攻撃パターンも構築できた。新戦力のチャヴリッチも予想以上の働きを見せた。こうした成果もあって、名古屋戦の3-0から好発進し、5月には6戦無敗と破竹の勢いを披露。前半戦の折り返しだった6月22日の浦和レッズ戦の段階では、町田に続く2位につけていた。

 当時の吉岡宗重FDも「今季前半は首位ターンしたいと考えていたが、2位というのは今後の伸びしろを含めてまずまず。監督が変わり、新体制で始まったチームとしては悪くない位置にいると考えています」と前向きに発言。「特に攻撃面は改善している。鈴木優磨以外のところから点を取れるようにしてほしいと監督にお願いしていたが、2人目・3人目の動きを出しつつ、組織的にゴールできるようになってきた」とも語り、その時点の総得点34という数字を高く評価していた。
 
 しかしながら、6月のガンバ大阪、神戸との上位対決で勝ち切れず、後半戦の展開に不安がよぎった。そのタイミングで佐野がチームを離れ、同じ7月にチャヴリッチが負傷離脱。夏の中断が明けた8月以降は、濃野の右サイド攻撃を相手が徹底対策してきたことで、思うように得点が取れなくなった。

 指揮官の固定メンバー起用も災いし、8月11日のジュビロ磐田戦から6戦未勝利というまさかの事態に直面。9月には天皇杯も落とし、最終的にクラブは10月5日のアルビレックス新潟戦直後に、ポポヴィッチ監督と吉岡FDの更迭という大ナタを振るう決断を下した。

 そこから残り6戦は中後雅喜監督が暫定的に指揮。パリ五輪が終わったばかりのOB羽田憲司コーチも指導スタッフに加わった。強化トップも今年から強化に携わったばかりの中田浩二がFDに就任し、陣頭指揮を執った。

 まだJ1タイトルの可能性が残ったこの時期の大幅な体制変更は見る者に驚きを与えたが、鹿島としては「いち早く2025年以降に舵を切った」ということなのだろう。

 そこからはポポヴィッチ体制で構想外のような扱いをされていた津久井佳祐や舩橋佑ら若手も使われるようになり、前向きな機運が生まれた。新体制初陣だった10月19日のアビスパ福岡戦では、師岡柊生をトップに据え、鈴木を左サイドに回すといった新たなチャレンジにも打って出た。

 これはあまり機能せず、推進力が出なかったが、続く11月1日の川崎フロンターレ戦で鈴木・師岡の2トップにトライしたところ攻撃が大きく活性化。濃野の負傷離脱を受けて三竿健斗が右SBで新境地を開拓するなど収穫もあった。

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