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「プロになって恩返ししたい」G大阪ユースFW久永虎次郎が語る元Jリーガーで福岡U-18監督の“偉大な父”への想い。来年はプレミアで親子対決が実現へ

カテゴリ:高校・ユース・その他

森田将義

2024年12月10日

親子揃ってプレミアに昇格

G大阪ユースの虎次郎(左)が父・辰徳氏(右)への想いを語った。写真:森田将義

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 高円宮杯プレミアリーグのプレーオフが12月8日に行なわれ、来季からプレミアリーグに昇格する4チームが確定した。

 3年ぶりとなるプレミア復帰を決めて喜ぶガンバ大阪ユースの中でもひと際、嬉しそうな表情を見せていたのは2年生ストライカーのFW久永虎次郎。父はアビスパ福岡や大宮アルディージャでプレーした久永辰徳氏で、現在は福岡U-18の監督を務めており、G大阪と同時間帯に同じく、プレミア昇格をかけた一戦を戦っていた。

 中学までは父が立ち上げたFCアラーラ鹿児島で監督と選手という関係だったが、高校生になったタイミングで息子はG大阪に加入。父もJクラブの指導者としてのキャリアを歩み出した。

 7月の日本クラブユースサッカー選手権(U-18)でも両チームともに勝ち上がり、決勝で対戦する可能性があったが、福岡が準決勝で敗れたため、親子対決はならず。今回も対戦する可能性があったが、「クラブユースなら直接対決でも良いけど、プレミアプレーオフでは当たりたくなかった。組み合わせは祈っていました」と父は笑う。

 今回、プレーオフのために泊まった宿舎は同じで顔を合わす機会もあった。お互いのチーム状況について会話しながらも「頑張ろう」、「絶対に勝とう」とエールを送りあった。

 福岡U-18は岡山学芸館高に2点先行される展開ながらも、後半の3ゴールで3-2の逆転勝ち。第1試合がPK戦までもつれたため、遅れてスタートした試合でG大阪も横浜F・マリノスに2-0で勝利し、親子揃ってのプレミア昇格が決まった。

「アビスパも逆転勝ちしたと情報が入ってめちゃくちゃ嬉しかったです。やっと来年、お父さんとできるって」(虎次郎)
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 虎次郎が生まれたのは父がキャリアの終盤に差し掛かっていた2007年であるため、現役時代のプレーをリアルタイムで見たことはない。ただ、G大阪に入って明神智和コーチなど元Jリーガーの指導者に父について尋ねると、こぞって「ドリブルが凄かった」と返ってくるため、改めて父の偉大さに気付いたという。

「中学校までは教えてもらう立場。めちゃくちゃ厳しくサッカーを教わっていて、中学の時は『なんやねん』と思う時もあったのですが、高校に行ってお父さんにあれだけ教えてもらって幸せだったと思うようになり、凄く感謝している。だからこそプロになって恩返ししたい」

 中学時代に所属したFCアラーラ鹿児島は、九州大会に進むのがやっとのチーム。「お前や、お前が勝たせるんだ」というスタンスで父から教わったサッカー選手としての基礎が今のプレースタイルに生きている。

 今でもアドバイスは続いており、今年に入ってからは「身長の伸びが止まったので身体を作れ。174センチのストライカーとして勝負していけ」と父からアルゼンチン代表のFWラウタロ・マルティネスのプレー集が送られてきたという。

 本人も「身長が止まってきた。高さの部分では身長もあるので勝つのは難しい。なので、動き出しで勝負するしかない」と映像を何度も見返し、新たなプレースタイルの習得に励んだ。加えて小柄なストライカーとして生きていくのに必要なゴール前でフリーになる方法や、シュートが入るタイミングなど細かい技術も教わった。

 加えて、夏前に負った怪我を機に肉体強化に励んだことで、スピードが格段にアップ。クラブユース選手権では交代の切り札として出場を重ね、短い出場時間でも着実にゴールを重ねた。プレーオフでも得点こそ奪えなかったが、鋭い飛び出しでゴールに迫るなどピッチ上での存在感は増している。

 来年はプレミアの舞台で親子対決が実現する。

「お父さんも思っていると思うのですが、親子とか関係なくガンバとしても、自分としても圧倒したい。相手には1点も与えず、こっちは何点でも取って自分が成長したんだぞと見せつけたいです」

 そう意気込む虎次郎は父のチームから大量得点を奪い、成長した姿を示すつもりだ。

取材・文●森田将義

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