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中学まではバスケとの二刀流! アメリカ人の母を持つ、浦和ユースの大型CB田中義峯が示した無限の可能性

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2024年12月02日

加入当初はレベルの高さに戸惑いも…

1年生とは思えない分厚い身体。ブレイク間近の大型CB田中が成長を続けている。写真:松尾祐希

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 186センチ・83キロの大型CBが右肩上がりで成長を続けている。

 12月1日に行なわれたU-18高円宮杯プリンスリーグ関東1部の最終節。前節の時点で3位の浦和レッズユースは、6日と8日に開催されるプレミアリーグ参入プレーオフ(プリンスリーグ関東1部の上位3位チームが出場)に参戦するためにも、敗北は許されない。

 勝利で自力突破が決まり、引き分けの場合は他会場の結果次第。その緊迫した状況下で、4バックの左CBで先発起用されたのが田中義峯だ。

 1年生とは思えない分厚い身体を活かして対人プレーで強みを発揮し、簡単に相手に仕事をさせない。攻撃面でも正確なビルドアップとロングフィードで起点を作り、攻守両面で存在感を示した。

 チームは2位の横浜F・マリノスユースに対し、前半のうちの先制点を奪われながらも40分にFW照内利和(3年)のゴールで同点に追い付く。勝ち越し点を奪えなかったものの、1−1で試合終了。同勝点の矢板中央高を得失点差で上回り、関東第3代表の権利を得た。

 小学校と中学校時代はナショナルトレセンや世代別代表に入っておらず、最高到達地点は県トレセン。なぜ田中は一気に台頭したのだろうか。

 幼稚園の年長でサッカーを始めた田中は、アビスパ福岡などで活躍した山形恭平氏が指導に携わるリベルタという街クラブの出身。また、野球経験者である日本人の父とアメリカ人の母から授けられたサイズも目を惹き、中学時代の3年間はバスケットボール部にも籍を置く二刀流で運動能力に磨きをかけたという。

 強さと巧さを兼ね備えるCBには福岡県内の強豪校から誘いがあったが、さらなる成長を目論んで浦和ユース行きを決断。しかし、加入当初はレベルの高さに戸惑った。田中は言う。

「テクニックに自信があったけど、最初はうまくプレーできなかった。スタッフからはポジショニングについてかなり言われたんです」
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 苦戦を強いられていたが、夏に転機が訪れる。定位置を掴んでいたDF東方田純永(2年)が大怪我を負い、出番を得たのだ。

「ポジショニングが身に付いたら、足もとの技術が活かせるようになったんです。守備面でも常に準備する重要性を理解して、そこから一気に試合でも余裕を持ってプレーができるようになりました」(田中)

 指摘されていた課題と向き合った田中はレギュラーに定着。今年9月下旬には16歳以下の埼玉県選抜で国民スポーツ大会に出場し、11月中旬にはU-16日本代表候補合宿にも初めて参加した。すでにトップチームの練習も経験しており、飛ぶ鳥を落とす勢いで力をつけている。

 来季からFC琉球の指揮官に就任する浦和ユースの平川忠亮監督は田中の成長について、こう話す。

「夏以降に試合に絡むようになったけど、それ以前からポテンシャルをかなり感じていた。そのなかで夏に東方田が大怪我をして、誰を使うかというところで彼を試して結果を出してくれたんです。

 ただ、順番待ちではなく、先輩たちもいるなかできっちり素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。(プレーオフが開催される)広島に行けるのも彼の成長が大きかったと思います」

 今季は残り2試合。勝負がかかった場面でどれだけ自分のプレーを発揮できるか。来年4月に開催されるU-17アジアカップ(U-17ワールドカップの最終予選)を目ざすためにも、絶対に負けられない。

「代表活動でアピールできなかったので、良いプレーを見せたい」と言い切った浦和のニューカマーは新たな扉を開くべく、今年最後の舞台に立つ。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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