ヘッドでのゴールも伸ばす
[J1第37節]東京V 4-5 川崎/11月30日/味の素スタジアム
乱打戦となった東京Vとの一戦で、川崎を勝利に導いたのは勢いが止まらない大卒2年目のストライカー・山田新だった。しかも鬼木達監督の今季限りでの退任発表後、リーグ戦では初勝利。意識はしていなかったはずだが、恩師への大きなプレゼントにもなった。
川崎アカデミーで育ち、桐蔭横浜大を経て川崎でプロ生活を初めて2年目。ルーキーイヤーの昨季は、27試合で4得点であったが、明るい性格で「彼のキャラクター。チームにエネルギーを与えてくれると思っていた」(鬼木監督)と、副キャプテンを任された今季は一気にブレイクを果たした。
夏場には24節・柏戦(〇3-2)、25節・神戸戦(〇3-0)、26節・FC東京戦(〇3-0)でそれぞれ2ゴールを奪い、日本人としては中山雅史、大久保嘉人に次ぐ通算3人目、Jリーグでは通算9人目となる3試合連続での複数得点も記録してみせ、注目を浴びた。
そして今季リーグのアウェー最終戦・東京V戦では、待望のプロ初のハットトリックを含む、全5ゴールに絡む大活躍。今季の通算得点も19に伸ばし、磐田のFWジャーメイン良に並び、日本人トップタイとなった(1位は横浜のアンデルソン・ロペスの24ゴール)。
【動画】山田新の3点目のゴール
乱打戦となった東京Vとの一戦で、川崎を勝利に導いたのは勢いが止まらない大卒2年目のストライカー・山田新だった。しかも鬼木達監督の今季限りでの退任発表後、リーグ戦では初勝利。意識はしていなかったはずだが、恩師への大きなプレゼントにもなった。
川崎アカデミーで育ち、桐蔭横浜大を経て川崎でプロ生活を初めて2年目。ルーキーイヤーの昨季は、27試合で4得点であったが、明るい性格で「彼のキャラクター。チームにエネルギーを与えてくれると思っていた」(鬼木監督)と、副キャプテンを任された今季は一気にブレイクを果たした。
夏場には24節・柏戦(〇3-2)、25節・神戸戦(〇3-0)、26節・FC東京戦(〇3-0)でそれぞれ2ゴールを奪い、日本人としては中山雅史、大久保嘉人に次ぐ通算3人目、Jリーグでは通算9人目となる3試合連続での複数得点も記録してみせ、注目を浴びた。
そして今季リーグのアウェー最終戦・東京V戦では、待望のプロ初のハットトリックを含む、全5ゴールに絡む大活躍。今季の通算得点も19に伸ばし、磐田のFWジャーメイン良に並び、日本人トップタイとなった(1位は横浜のアンデルソン・ロペスの24ゴール)。
【動画】山田新の3点目のゴール
覚醒の背景には弛まぬ努力と、ストライカーに必要なギラツキがあった。
桐蔭横浜大の先輩でもある川崎MF橘田健人は姿勢を認める。
「ストライカーっぽくなってきたなと。前まではチャンスを決め切れなかったところもあったんですが、そこを決めている。ヘディングでゴールを取っていると思うんですが、ああいうのも昔はあまり見なかった。
ヘディングもそうですし、クロスから合わせる形も、プロに入ってからずっと練習している。そういうのを決め出したら、なかなか止められないなと。自信が付いたところもあると思いますし、練習の成果が試合に出ていると感じます」
その言葉通り、トレーニング場には、居残り練習で何度もクロスからのパターンを繰り返す山田の姿があった。前節までのデータでは、ヘディングでの得点数はリーグ1位の6点。この日の東京V戦ではPK、ヘッド、裏に抜け出しながらの強烈なボレーと、どんな形からでもネットを揺らせる万能性も示してみせた。
鬼木監督も成長に目を細める。
「ゴールに対して貪欲ですし、難しいゴールも決めてくれました。やっぱり勝負を決めるゴールを取れるようになったのが、大きかったです
やり続ける力。FWなので取れる時もありますし、取れない時もありますが、やるべきことをやり続ける。チームのためにやることが自分に返ってきていると思います」
先輩ストライカーの小林悠も以前語っていた。
「普段から真面目にやっている選手なので、期待できる若いやつが出てきたなと、僕は嬉しいですね。まさにギラギラ感。自分が試合を変えてやるんだという想いが前面に出ている。能力は凄いものがあるので、点を決めていければ、より成長していけると信じています」
一方で指揮官はこうも続けた。
「セットプレーでの反省はしてもらわないと困りますが、そこは今後につなげてほしいなと思います」
セットプレーではクリアを味方に当ててしまうなど、失点の要因にもなった。
もっとも、そういった粗さを上回る期待感に溢れる。筋骨隆々の身体を上手く使いながら相手を制し、馬力とスピード抜群のドリブルで相手ゴールへ突進。そして今季は、ゴール前での動き出し、上手さも身に付けつつある。
調子が上がらず苦しんだ今季の川崎だが、また興味深いストライカーを生み出した。最終節で山田がさらに得点数を伸ばすことに注目だ。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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桐蔭横浜大の先輩でもある川崎MF橘田健人は姿勢を認める。
「ストライカーっぽくなってきたなと。前まではチャンスを決め切れなかったところもあったんですが、そこを決めている。ヘディングでゴールを取っていると思うんですが、ああいうのも昔はあまり見なかった。
ヘディングもそうですし、クロスから合わせる形も、プロに入ってからずっと練習している。そういうのを決め出したら、なかなか止められないなと。自信が付いたところもあると思いますし、練習の成果が試合に出ていると感じます」
その言葉通り、トレーニング場には、居残り練習で何度もクロスからのパターンを繰り返す山田の姿があった。前節までのデータでは、ヘディングでの得点数はリーグ1位の6点。この日の東京V戦ではPK、ヘッド、裏に抜け出しながらの強烈なボレーと、どんな形からでもネットを揺らせる万能性も示してみせた。
鬼木監督も成長に目を細める。
「ゴールに対して貪欲ですし、難しいゴールも決めてくれました。やっぱり勝負を決めるゴールを取れるようになったのが、大きかったです
やり続ける力。FWなので取れる時もありますし、取れない時もありますが、やるべきことをやり続ける。チームのためにやることが自分に返ってきていると思います」
先輩ストライカーの小林悠も以前語っていた。
「普段から真面目にやっている選手なので、期待できる若いやつが出てきたなと、僕は嬉しいですね。まさにギラギラ感。自分が試合を変えてやるんだという想いが前面に出ている。能力は凄いものがあるので、点を決めていければ、より成長していけると信じています」
一方で指揮官はこうも続けた。
「セットプレーでの反省はしてもらわないと困りますが、そこは今後につなげてほしいなと思います」
セットプレーではクリアを味方に当ててしまうなど、失点の要因にもなった。
もっとも、そういった粗さを上回る期待感に溢れる。筋骨隆々の身体を上手く使いながら相手を制し、馬力とスピード抜群のドリブルで相手ゴールへ突進。そして今季は、ゴール前での動き出し、上手さも身に付けつつある。
調子が上がらず苦しんだ今季の川崎だが、また興味深いストライカーを生み出した。最終節で山田がさらに得点数を伸ばすことに注目だ。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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