川崎に打ち合いで敗れるも誇れる成績
[J1第37節]東京V 4-5 川崎/11月30日/味の素スタジアム
取られれば取り返す。最終的には攻撃自慢の川崎に打ち負けたが、今季のホーム最終戦で東京ヴェルディの意地を感じた人は多いのではないか。
今季16年ぶりにJ1に復帰したチームは、最終節のアウェー・京都戦を前に14勝13分10敗の6位。同じ昇格チームとしては町田が最後まで優勝争いに絡むなど躍進を果たしているが、東京Vも下馬評を考えれば誇れる成績を残しているのである。
城福浩監督が率いるチームは、川崎戦でも“熱かった”。約3週間の中断期間を挟んだ影響もあったか、出足が鈍かったこの日は3-4-2-1の最終ラインの脇を突かれてピンチを迎え、22分までに2点のビハインドを負った。
しかし、34分に3バックの右を務めていた綱島悠斗に変えてFW染野唯月を投入して4-4-2の布陣に変更すると反撃を開始。42分に見木友哉が1点を返すと、後半開始早々にはCB谷口栄斗が決めて同点に追いつく。
その後は2-4に引き離されるも、谷口がCBながら驚きのハットトリックをマークし、再び同点に。試合終盤に突き放されたが、最後まで諦めない姿勢を見せた。
もっとも谷口が「最近すごく練習していたのでそれが結果につながって良かったですけど、勝てなかったのでそこは意味ないかな」と振り返ったように、結果が出なかったことを悔やんだ選手たちは頼もしい限りでもある。
この日配られたJ1(J2ができる以前のJリーグ時代も含む)でのヴェルディのホーム観客動員数の資料にはこんなデータが載っていた。
●1993年(18試合) 平均入場者数 25,235人 総入場者数 454,237人
●1994年(22試合) 平均入場者数 24,926人 総入場者数 548,378人
●1995年(26試合) 平均入場者数 20,834人 総入場者数 541,682人
●1996年(15試合) 平均入場者数 17,653人 総入場者数 264,791人
●1997年(16試合) 平均入場者数 10,933人 総入場者数 174,928人
●1998年(17試合) 平均入場者数 13,338人 総入場者数 226,748人
●1999年(15試合) 平均入場者数 9,379人 総入場者数 140,684人
●2000年(15試合) 平均入場者数 7,609人 総入場者数 114,141人
●2001年(15試合) 平均入場者数 19,396人 総入場者数 290,946人
●2002年(15試合) 平均入場者数 15,128人 総入場者数 226,926人
●2003年(15試合) 平均入場者数 17,563人 総入場者数 263,438人
●2004年(15試合) 平均入場者数 15,059人 総入場者数 225,878人
●2005年(17試合) 平均入場者数 14,716人 総入場者数 250,177人
●2008年(17試合) 平均入場者数 14,837人 総入場者数 252,231人
2001年の東京移転で盛り返してはいるが、年を経るごとに苦戦を強いられ、J2生活も長く経験。しかし、16年ぶりのJ1では、この日のホーム最終戦に26,387人の観客を集め、ホームゲームの1試合平均が20,976人となり、1995年の20,834人を抜いてクラブとして93年、94年に次ぐ3番目の数字を記録したのである。
【動画】谷口の3点目のゴール
取られれば取り返す。最終的には攻撃自慢の川崎に打ち負けたが、今季のホーム最終戦で東京ヴェルディの意地を感じた人は多いのではないか。
今季16年ぶりにJ1に復帰したチームは、最終節のアウェー・京都戦を前に14勝13分10敗の6位。同じ昇格チームとしては町田が最後まで優勝争いに絡むなど躍進を果たしているが、東京Vも下馬評を考えれば誇れる成績を残しているのである。
城福浩監督が率いるチームは、川崎戦でも“熱かった”。約3週間の中断期間を挟んだ影響もあったか、出足が鈍かったこの日は3-4-2-1の最終ラインの脇を突かれてピンチを迎え、22分までに2点のビハインドを負った。
しかし、34分に3バックの右を務めていた綱島悠斗に変えてFW染野唯月を投入して4-4-2の布陣に変更すると反撃を開始。42分に見木友哉が1点を返すと、後半開始早々にはCB谷口栄斗が決めて同点に追いつく。
その後は2-4に引き離されるも、谷口がCBながら驚きのハットトリックをマークし、再び同点に。試合終盤に突き放されたが、最後まで諦めない姿勢を見せた。
もっとも谷口が「最近すごく練習していたのでそれが結果につながって良かったですけど、勝てなかったのでそこは意味ないかな」と振り返ったように、結果が出なかったことを悔やんだ選手たちは頼もしい限りでもある。
この日配られたJ1(J2ができる以前のJリーグ時代も含む)でのヴェルディのホーム観客動員数の資料にはこんなデータが載っていた。
●1993年(18試合) 平均入場者数 25,235人 総入場者数 454,237人
●1994年(22試合) 平均入場者数 24,926人 総入場者数 548,378人
●1995年(26試合) 平均入場者数 20,834人 総入場者数 541,682人
●1996年(15試合) 平均入場者数 17,653人 総入場者数 264,791人
●1997年(16試合) 平均入場者数 10,933人 総入場者数 174,928人
●1998年(17試合) 平均入場者数 13,338人 総入場者数 226,748人
●1999年(15試合) 平均入場者数 9,379人 総入場者数 140,684人
●2000年(15試合) 平均入場者数 7,609人 総入場者数 114,141人
●2001年(15試合) 平均入場者数 19,396人 総入場者数 290,946人
●2002年(15試合) 平均入場者数 15,128人 総入場者数 226,926人
●2003年(15試合) 平均入場者数 17,563人 総入場者数 263,438人
●2004年(15試合) 平均入場者数 15,059人 総入場者数 225,878人
●2005年(17試合) 平均入場者数 14,716人 総入場者数 250,177人
●2008年(17試合) 平均入場者数 14,837人 総入場者数 252,231人
2001年の東京移転で盛り返してはいるが、年を経るごとに苦戦を強いられ、J2生活も長く経験。しかし、16年ぶりのJ1では、この日のホーム最終戦に26,387人の観客を集め、ホームゲームの1試合平均が20,976人となり、1995年の20,834人を抜いてクラブとして93年、94年に次ぐ3番目の数字を記録したのである。
【動画】谷口の3点目のゴール
キャプテンのMF森田晃樹は「入場者数はすごく増えましたし、選手としてはそういうなかでやれる喜びがあるので、来年もさらに多くの人が入ってくれるような素晴らしいサッカーをできれば良いかなと思います」とコメント。
谷口も「サポーターがいなければ僕たちもいないですし、感謝してもし切れない。僕たちのサッカーが初めて来てくれた人に響いてくれたんだなと感じます」と喜んだ。
名門と呼ばれながら数多くの苦難を歩んできたクラブだが、今年は、東京Vユースが、Jユースカップを28年ぶりに制覇。トップチームとともに、徐々に復権の予感を漂わせている。
かつてあの緑のユニホームに心躍ったサッカーファンは多いに違いない。そんな人たちにも熱い戦いを繰り広げる今のヴェルディは興味深い存在に映るのではないか。
最後に、ホーム最終戦セレモニーでの城福監督の心打つスピーチも紹介しよう。
「昨年の12月2日(昇格プレーオフ)を境に我々の取り巻く環境は劇的に変わりました。まずスタジアムの雰囲気、メディアの露出、そして何より対戦相手のレベルが変わりました。序盤はなかなか適応できずに勝点3を取るのに苦労しました。一定の手応えがありながら勝点3を取り切れない試合が続きました。悔しい想いが学びになると言いつつ、心が折れそうになるような経験もしました。
ただそんな時にもサポーターが作ってくれる雰囲気がありました。ここまで臨んできたJ1。1年で去ってはいけない。この舞台を絶対に譲ってはいけない。だから絶対に諦めてはいけない。そういう雰囲気をみなさんが作ってくれました。なので踏ん張れました。
我々にとっては、本当にみなさんは宝です。今年の我々の勝点が評価に値するかどうか、それは我々は興味がないです。他の人が決めることです。ただ、胸を張って言えることがひとつあります。それは全員で準備をして、全員で努力をして、全員で戦って、ここにいる全員が成長したということです。
ウォームアップの時からなんですけども、それこそヘディングひとつから誰ひとり、手を抜かなかったです。笛から笛まで本当に集中していました。全体練習が終わった後に、指名選手がエクストラと言われるトレーニングをやります。ほぼ毎日やります。
その時に頭から湯気を出してやるんですね。頭から湯気を出すっていうのは、汗じゃないんですよ。汗と気迫と悔しさと。これを毎日かくんですよ。それを見ていてレギュラー陣は気を抜けるはずがない。これがこのチームの宝なんです。このチームは、夏に補強を1人しかしなかった(鹿島からレンタルで松村優太を獲得)。ただ彼ら自身が成長して、彼らが競争力をつけたんです。僕は彼らを誇りに思います。
今日負けてしまったので、超野心的な、可能性としては数パーセントしかなかったと思いますが、彼らをアジアに連れて行くのは今年は成し得なかったです。ただその可能性が今日の試合まであったというのは、我々は自身を持って良いと思うし、今年の成長の曲線を見たら彼らはもっとやれる。あと1試合、成長の証しを見せたいと思います」
指揮官のこんな熱いスピーチを聞いて、奮い立たない者はいないだろう。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
【PHOTO】現地で日本代表を応援する麗しき「美女サポーター」たちを一挙紹介!
谷口も「サポーターがいなければ僕たちもいないですし、感謝してもし切れない。僕たちのサッカーが初めて来てくれた人に響いてくれたんだなと感じます」と喜んだ。
名門と呼ばれながら数多くの苦難を歩んできたクラブだが、今年は、東京Vユースが、Jユースカップを28年ぶりに制覇。トップチームとともに、徐々に復権の予感を漂わせている。
かつてあの緑のユニホームに心躍ったサッカーファンは多いに違いない。そんな人たちにも熱い戦いを繰り広げる今のヴェルディは興味深い存在に映るのではないか。
最後に、ホーム最終戦セレモニーでの城福監督の心打つスピーチも紹介しよう。
「昨年の12月2日(昇格プレーオフ)を境に我々の取り巻く環境は劇的に変わりました。まずスタジアムの雰囲気、メディアの露出、そして何より対戦相手のレベルが変わりました。序盤はなかなか適応できずに勝点3を取るのに苦労しました。一定の手応えがありながら勝点3を取り切れない試合が続きました。悔しい想いが学びになると言いつつ、心が折れそうになるような経験もしました。
ただそんな時にもサポーターが作ってくれる雰囲気がありました。ここまで臨んできたJ1。1年で去ってはいけない。この舞台を絶対に譲ってはいけない。だから絶対に諦めてはいけない。そういう雰囲気をみなさんが作ってくれました。なので踏ん張れました。
我々にとっては、本当にみなさんは宝です。今年の我々の勝点が評価に値するかどうか、それは我々は興味がないです。他の人が決めることです。ただ、胸を張って言えることがひとつあります。それは全員で準備をして、全員で努力をして、全員で戦って、ここにいる全員が成長したということです。
ウォームアップの時からなんですけども、それこそヘディングひとつから誰ひとり、手を抜かなかったです。笛から笛まで本当に集中していました。全体練習が終わった後に、指名選手がエクストラと言われるトレーニングをやります。ほぼ毎日やります。
その時に頭から湯気を出してやるんですね。頭から湯気を出すっていうのは、汗じゃないんですよ。汗と気迫と悔しさと。これを毎日かくんですよ。それを見ていてレギュラー陣は気を抜けるはずがない。これがこのチームの宝なんです。このチームは、夏に補強を1人しかしなかった(鹿島からレンタルで松村優太を獲得)。ただ彼ら自身が成長して、彼らが競争力をつけたんです。僕は彼らを誇りに思います。
今日負けてしまったので、超野心的な、可能性としては数パーセントしかなかったと思いますが、彼らをアジアに連れて行くのは今年は成し得なかったです。ただその可能性が今日の試合まであったというのは、我々は自身を持って良いと思うし、今年の成長の曲線を見たら彼らはもっとやれる。あと1試合、成長の証しを見せたいと思います」
指揮官のこんな熱いスピーチを聞いて、奮い立たない者はいないだろう。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
【PHOTO】現地で日本代表を応援する麗しき「美女サポーター」たちを一挙紹介!