クラブ、若年層の代表チームではいくつもの伝説を創り上げた。

06年9月のブラジル戦でA代表での初キャップを刻んでから、ここまで71試合に出場している。 (C) Getty Images

シティでは、今シーズンもエースの重責を果たした。名将ジョゼップ・グアルディオラの到来は、来シーズン以降の“クン”にいかなる影響を与えるだろうか。 (C) Getty Images
◇セルヒオ・アグエロ:1988年6月2日生まれ アルゼンチン・キルメス出身
6月4日からアメリカで開催される「コパ・アメリカ・センテナリオ」で優勝候補筆頭に挙げられているのがアルゼンチン代表だ。戦力的には、他チームに比べて図抜けている。
今回は特別大会とはいえ、A代表としては1993年のコパ・アメリカ以来、栄光から遠ざかっているアルゼンチンにとって、獲れるものなら是が非にでも獲っておきたいタイトルである。
クラブでは全てを手にしたリオネル・メッシがA代表で初の歓喜を味わうことができるか、というのが興味にひとつとなっているが、それはチームメイトにとっても同様だ。もちろん、セルヒオ・アグエロも代表チームでのタイトルに飢えているひとりである。
メッシよりひとつ年下の彼は、2005年ワールドユース(現U-20ワールドカップ)以降、代表チームではメッシとほぼ同じ道を歩んでいる。メッシが得点王&MVPに輝いた05年大会で優勝を経験したアグエロは、その2年後に自身が得点王&MVPとして母国に連覇をもたらした。
08年に北京オリンピックで再びメッシとともに金メダルを獲得。そして以降はA代表のメンバーとして、ワールドカップではメッシに一大会遅れて10年南アフリカ大会から出場。14年ブラジル大会と連続して共に戦っている。
抜群の得点力を誇るふたりが長く代表チームに定着すれば、当然、ここで積み上げたゴールの数は相当なものとなる。メッシは現在50点で、トップのガブリエル・バティストゥータまで6と迫っている。
一方、アグエロは現在、33点で5位。4位はアルゼンチンの伝説、ディエゴ・マラドーナで34点、そして3位のエルナン・クレスポは35点であり、早いうちにアグエロが一気に順位を2つ上げる可能性もある。
マラドーナといえば、言うまでもなくアグエロにとって元義父。09年に彼の次女ジャンニーナとのあいだに一子(つまりマラドーナの孫)をもうけたものの、その後、離婚したことで、遺恨も生まれた。
もっとも、選手としての、母国の英雄としてのマラドーナに対して、アグエロの尊敬は何ら変わっておらず、そんな偉大な人物を(通算得点で)超えることは、何より特別なことだろう。それを彼は、28歳の若さで果たすかもしれない。
少年時代、好きだった漫画のタイトルの言い間違いから「クン」のあだ名を付けられた彼は、03年にインデペンディエンテでプロデビューを飾り、3シーズン後にアトレティコ・マドリーに移籍。2年目から4シーズン連続で2桁ゴールを達成し、10年にはヨーロッパリーグ優勝にも貢献した。
そして11年に加入したマンチェスター・シティでは、1シーズン目の最終節、クラブはアディショナルタイムでQPRから2点を奪って逆転勝利、そして奇跡の逆転リーグ優勝を果たした。
ここで劇的な決勝点を奪ったのがアグエロだった。シティに44年ぶりの栄冠をもたらした彼は、いきなりクラブ史に残る英雄として、永遠に語り継がれる存在となった。
シティでは以降もエースとして君臨し、14-15シーズンにはプレミアリーグ得点王に。終わったばかりの今シーズンも、24ゴールを挙げた。ニューカッスル戦では20分間で5得点という、リーグ史上5人目の記録を達成して、ここでも歴史に名を残している。
このように、すでにクラブ、若年層の代表チームで数々の伝説を創り上げたアグエロだが、今夏、A代表においても、栄光のキャリアの1ページをめくれるだろうか。
6月4日からアメリカで開催される「コパ・アメリカ・センテナリオ」で優勝候補筆頭に挙げられているのがアルゼンチン代表だ。戦力的には、他チームに比べて図抜けている。
今回は特別大会とはいえ、A代表としては1993年のコパ・アメリカ以来、栄光から遠ざかっているアルゼンチンにとって、獲れるものなら是が非にでも獲っておきたいタイトルである。
クラブでは全てを手にしたリオネル・メッシがA代表で初の歓喜を味わうことができるか、というのが興味にひとつとなっているが、それはチームメイトにとっても同様だ。もちろん、セルヒオ・アグエロも代表チームでのタイトルに飢えているひとりである。
メッシよりひとつ年下の彼は、2005年ワールドユース(現U-20ワールドカップ)以降、代表チームではメッシとほぼ同じ道を歩んでいる。メッシが得点王&MVPに輝いた05年大会で優勝を経験したアグエロは、その2年後に自身が得点王&MVPとして母国に連覇をもたらした。
08年に北京オリンピックで再びメッシとともに金メダルを獲得。そして以降はA代表のメンバーとして、ワールドカップではメッシに一大会遅れて10年南アフリカ大会から出場。14年ブラジル大会と連続して共に戦っている。
抜群の得点力を誇るふたりが長く代表チームに定着すれば、当然、ここで積み上げたゴールの数は相当なものとなる。メッシは現在50点で、トップのガブリエル・バティストゥータまで6と迫っている。
一方、アグエロは現在、33点で5位。4位はアルゼンチンの伝説、ディエゴ・マラドーナで34点、そして3位のエルナン・クレスポは35点であり、早いうちにアグエロが一気に順位を2つ上げる可能性もある。
マラドーナといえば、言うまでもなくアグエロにとって元義父。09年に彼の次女ジャンニーナとのあいだに一子(つまりマラドーナの孫)をもうけたものの、その後、離婚したことで、遺恨も生まれた。
もっとも、選手としての、母国の英雄としてのマラドーナに対して、アグエロの尊敬は何ら変わっておらず、そんな偉大な人物を(通算得点で)超えることは、何より特別なことだろう。それを彼は、28歳の若さで果たすかもしれない。
少年時代、好きだった漫画のタイトルの言い間違いから「クン」のあだ名を付けられた彼は、03年にインデペンディエンテでプロデビューを飾り、3シーズン後にアトレティコ・マドリーに移籍。2年目から4シーズン連続で2桁ゴールを達成し、10年にはヨーロッパリーグ優勝にも貢献した。
そして11年に加入したマンチェスター・シティでは、1シーズン目の最終節、クラブはアディショナルタイムでQPRから2点を奪って逆転勝利、そして奇跡の逆転リーグ優勝を果たした。
ここで劇的な決勝点を奪ったのがアグエロだった。シティに44年ぶりの栄冠をもたらした彼は、いきなりクラブ史に残る英雄として、永遠に語り継がれる存在となった。
シティでは以降もエースとして君臨し、14-15シーズンにはプレミアリーグ得点王に。終わったばかりの今シーズンも、24ゴールを挙げた。ニューカッスル戦では20分間で5得点という、リーグ史上5人目の記録を達成して、ここでも歴史に名を残している。
このように、すでにクラブ、若年層の代表チームで数々の伝説を創り上げたアグエロだが、今夏、A代表においても、栄光のキャリアの1ページをめくれるだろうか。