6月3日に初陣のアメリカ戦。新生なでしこを率いる初の女性指揮官の素顔とは?

カテゴリ:日本代表

馬見新拓郎

2016年06月02日

輝かしい現役時代を経て、指導者としても結果を残す。

4月27日になでしこジャパンの指揮官に就任した高倉麻子監督。リオ五輪出場を逃したチームの再建を託された。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 高倉麻子監督を迎えた“新生なでしこジャパン”が、6月2日(日本時間6月3日[金]10:30キックオフ)のアメリカ戦で、いよいよ初陣を迎える。
 
 6月2日、5日にそれぞれアメリカと対戦するなでしこジャパンは、5月30日に渡米。今回のメンバーには宮間あや、川澄奈穂美ら経験豊富な選手が入らず(宮間はコンディションを考慮しての辞退)、現地での2日間の練習のみで試合に臨むとあって、苦戦が予想される。ただ、チームにとって貴重な経験の場となることは間違いない。
 
 そんななか、日本代表のトップカテゴリーで初の女性指揮官となったのが高倉監督である。2014年にはアンダーカテゴリーとはいえ、U-17女子ワールドカップで日本を優勝に導き、二度目の“世界一”の称号をもたらした。その手腕には大きな期待がかかる。
 
 一方なでしこジャパンは、今年2月、3月に大阪で開催されたリオ五輪アジア最終予選で敗退し、本大会出場を逃している。今後の舵取り次第では、女子サッカーの先細りが懸念される。そんな苦しい状況で未来を託されたのが、高倉監督だった。
 
「後輩が大きな花を咲かせてくれたので、バトンが戻ってきたら受けようと考えていた」
 
 就任会見で語った“後輩”とは、2011年のドイツ・女子ワールドカップで優勝、2012年のロンドン五輪で銀メダル、2015年のカナダ・女子ワールドカップで準優勝と、輝かしい結果を残してきた選手たちとその周辺を指す言葉だろう。
 
 高倉監督は現役時代、15歳でフル代表に初選出され、ワールドカップに2回、五輪に1回出場。国際Aマッチ79試合に出場し、30得点をマークした。クラブレベルでは、ベレーザやシリコンバレー・レッドデビルズ(アメリカ)などでプレーし、日本女子サッカーリーグでは2度の最優秀選手賞を受賞した。
 
 指導者としては、2004年の現役引退から3年後の2007年にJFAナショナルトレセンコーチ(女子)となり、U-16~20、23の日本女子代表監督を歴任し、U-16、U-19アジア女子選手権で優勝。前述したとおり、2014年にはコスタリカでのU-17女子ワールドカップで世界一に輝き、2012年から4年連続でAFC年間最優秀コーチ賞(女子)を受賞している。
 
 現役時代に日の丸を背負い、指導者としても女子サッカーに貢献してきた高倉監督のもとに、なでしこの復権を懸けた重みのあるバトンが回ってきたのは、必然なのかもしれない。
 
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