「最後はレフェリーの裁量」
日本サッカー協会(JFA)の審判委員会が9月11日、都内でメディア向けのレフェリーブリーフィングを実施。佐藤隆治JFA審判マネジャーがおよそ25分もの時間をかけ、FC町田ゼルビアのFW藤尾翔太の行為について詳細に語った。
8月17日に行なわれたJ1第27節、ジュビロ磐田戦(4-0)での出来事。58分に町田がPKを獲得すると、キッカーの藤尾はボールにボトルの水をかけた。すると、主審が濡れたボールの交換を要求。藤尾は両手を広げて不満を露わにしたが、新しいボールできっちりとチーム4点目を奪ってみせた。
佐藤審判マネージャーはまず、「競技規則に『ボールに水をかけちゃいけない』とは一切記載されていません。同じように『水をかけてもいい』という記載もありません」と説明。そのうえで、見解を示すにあたっての前提を次のように示した。
「サッカーはたかが17条の(本のジェスチャーをしながら)こんな薄っぺらい競技規則なんですよね。野球のようなものすごく分厚い、色んなケースが書かれている競技規則と比べると、サッカーはすごくシンプル。だから皆さんに受け入れられやすい、世界でNo.1と言われる人気のあるスポーツ。それはやっぱり17条しかない分かりやすさ。
1つ1つの事象に対して、こういったことはしていい、こういうことはダメとは書かれていません。じゃあ何かあったら、やっぱり1条から17条までの競技規則に書いてあるものと、競技規則の精神。フェアで安全でお互いに公平といったものがベースで、その上に1条から17条の規則がある。
現場で色んな状況が起こるなかで、いかに臨機応変に競技規則を適用していくか。『水をかけちゃいけない』と書いてあれば簡単だけど、書いてないんです。そうした時にレフェリーが何を持って判断するかといったら、やっぱり競技規則の精神。『お互いにフェアでやりましょう』『リスペクトを持ってやりましょう』と。これは日本だけではなくて世界でもそう。競技の精神を基にジャッジしていくものだと思います」
【画像】町田の藤尾がボールに水をかけたシーン
8月17日に行なわれたJ1第27節、ジュビロ磐田戦(4-0)での出来事。58分に町田がPKを獲得すると、キッカーの藤尾はボールにボトルの水をかけた。すると、主審が濡れたボールの交換を要求。藤尾は両手を広げて不満を露わにしたが、新しいボールできっちりとチーム4点目を奪ってみせた。
佐藤審判マネージャーはまず、「競技規則に『ボールに水をかけちゃいけない』とは一切記載されていません。同じように『水をかけてもいい』という記載もありません」と説明。そのうえで、見解を示すにあたっての前提を次のように示した。
「サッカーはたかが17条の(本のジェスチャーをしながら)こんな薄っぺらい競技規則なんですよね。野球のようなものすごく分厚い、色んなケースが書かれている競技規則と比べると、サッカーはすごくシンプル。だから皆さんに受け入れられやすい、世界でNo.1と言われる人気のあるスポーツ。それはやっぱり17条しかない分かりやすさ。
1つ1つの事象に対して、こういったことはしていい、こういうことはダメとは書かれていません。じゃあ何かあったら、やっぱり1条から17条までの競技規則に書いてあるものと、競技規則の精神。フェアで安全でお互いに公平といったものがベースで、その上に1条から17条の規則がある。
現場で色んな状況が起こるなかで、いかに臨機応変に競技規則を適用していくか。『水をかけちゃいけない』と書いてあれば簡単だけど、書いてないんです。そうした時にレフェリーが何を持って判断するかといったら、やっぱり競技規則の精神。『お互いにフェアでやりましょう』『リスペクトを持ってやりましょう』と。これは日本だけではなくて世界でもそう。競技の精神を基にジャッジしていくものだと思います」
【画像】町田の藤尾がボールに水をかけたシーン
サッカーでは日々、想像を超えたありとあらゆる事象が発生する。佐藤審判マネージャーは「1つ1つ、これは正しい、これは正しくないってことをしていくかといったら、多分そういうことではない」と主張。そして、改めて“フェア”の重要性を説いた。
「ゴールキーパーがどう思うのかとか、見られ方や感じ方は色々ある。レフェリーからしたら両チームにフェアに。中立な立場でゲームを運営していく時に、彼(藤尾)がどういう意図でやったかは別として、ゲームコントロールしていくうえで(ボールを交換すべきと)判断したのであれば、僕はそれがレフェリーじゃないかなと。『水の量がちょこっとでもダメなんですか』とかって議論になるのはナンセンスだと思います。
(レフェリーは)良いゲームで終わらせたいと全力を尽くしているなかで、中立に公平な目で見た時に、『これは』って考えれば、その考えによって下したジャッジは、僕は支持されるべきだと思っています」
今後、再び水をかける行為が行なわれたらどうするのか。佐藤審判マネージャーは「『あの時は水をかけた事実だけで交換したから』とか、そういうことでない。色んなやり方がある」「最後はレフェリーの裁量」と結論付けた。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
【記事】「話にならない」内田篤人、海外移籍について若手の“姿勢”に物申す「行けば。どこでもいいじゃん」
「ゴールキーパーがどう思うのかとか、見られ方や感じ方は色々ある。レフェリーからしたら両チームにフェアに。中立な立場でゲームを運営していく時に、彼(藤尾)がどういう意図でやったかは別として、ゲームコントロールしていくうえで(ボールを交換すべきと)判断したのであれば、僕はそれがレフェリーじゃないかなと。『水の量がちょこっとでもダメなんですか』とかって議論になるのはナンセンスだと思います。
(レフェリーは)良いゲームで終わらせたいと全力を尽くしているなかで、中立に公平な目で見た時に、『これは』って考えれば、その考えによって下したジャッジは、僕は支持されるべきだと思っています」
今後、再び水をかける行為が行なわれたらどうするのか。佐藤審判マネージャーは「『あの時は水をかけた事実だけで交換したから』とか、そういうことでない。色んなやり方がある」「最後はレフェリーの裁量」と結論付けた。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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