ロングスロー、PKボール水かけ…FC町田ゼルビアは“ヒール”なのか。「出る杭は打たれる」との見解がある一方でJリーグにとっては有意義な存在【コラム】
カテゴリ:Jリーグ
2024年08月23日
ファウル総数と警告数は断トツではない
J1初昇格にして首位を走るFC町田ゼルビアは、ここまで大きな話題を振りまいている。黒田剛監督の言動は良くも悪くも世間の耳目を集め、ピッチに目を移せばロングスロー、藤尾翔太のPKボール水かけなどがさも事件のように扱われている。
果たして、町田は“ヒール”なのか。個人的には首を傾げてしまう。確かに、黒田監督の「我々が正義」発言は行き過ぎた部分があったが、ロングスロー、ボールへの水かけは反則ではない。ボールへの水かけが嫌なら対戦相手が阻止すればいいだけの話で、レフェリーがわざわざボールを交換する必要はない(ルール上は問題ないはずで、主審がどういう意図で交換したかは不明)。
元Jリーガーの鄭大世氏は町田がヒールに映る現象について「やっかみです」と断言する。J1初昇格の新参者がいきなり優勝争いをしている現状に、嫉妬している者は確かにいるかもしれない。鄭大世は言う。
「出る杭は打たれるわけです」
あくまで個人的な見解だが、今季に町田の複数の試合を取材して“汚い”と感じたことは正直ない。別に町田のファンでもサポーターでもないが、チームが組織としてまとまっていて、カウンターに近いサッカーは痛快とも言える。
カウンターサッカーが嫌いな方がそのスタンスについて文句を言うのは健全だろう。サッカーのスタイルは色々あって、ファン・サポーターの好みもそれぞれ違うわけだから、例えばロングスローが汚いではなく“嫌い”ならまだ理解できる。
果たして、町田は“ヒール”なのか。個人的には首を傾げてしまう。確かに、黒田監督の「我々が正義」発言は行き過ぎた部分があったが、ロングスロー、ボールへの水かけは反則ではない。ボールへの水かけが嫌なら対戦相手が阻止すればいいだけの話で、レフェリーがわざわざボールを交換する必要はない(ルール上は問題ないはずで、主審がどういう意図で交換したかは不明)。
元Jリーガーの鄭大世氏は町田がヒールに映る現象について「やっかみです」と断言する。J1初昇格の新参者がいきなり優勝争いをしている現状に、嫉妬している者は確かにいるかもしれない。鄭大世は言う。
「出る杭は打たれるわけです」
あくまで個人的な見解だが、今季に町田の複数の試合を取材して“汚い”と感じたことは正直ない。別に町田のファンでもサポーターでもないが、チームが組織としてまとまっていて、カウンターに近いサッカーは痛快とも言える。
カウンターサッカーが嫌いな方がそのスタンスについて文句を言うのは健全だろう。サッカーのスタイルは色々あって、ファン・サポーターの好みもそれぞれ違うわけだから、例えばロングスローが汚いではなく“嫌い”ならまだ理解できる。
さて、町田のサッカーは本当に汚いのか。参考までにJリーグのチームスタッツ(8月18日現在)を見てみる。ファウル総数は町田が1位だ(396回)。ただ、2位のアビスパ福岡(394 回)、3位の湘南ベルマーレ(384回)のデータとそこまで差はない。
ちなみに警告数は1位が北海道コンサドーレ札幌、アビスパ福岡の49回、3位は横浜F・マリノスの47回、そして4位に町田の46回と続く。町田がファウル総数や警告数で断トツのデータを残しているわけでもないのになぜ「汚い」と騒ぎ立てられるのか。やはり「やっかみ」なのか。
正直、サッカーは綺麗なスポーツではない。実際に勝つための駆け引き(主審が見てないところでユニホームを引っ張るなど)が複数あり、ピンチを回避するためにわざとファウルする時もある。故意に選手を傷つける行為はもちろんダメだが、多少なりともずる賢さが求められるスポーツなのだ。
いずれにしても、町田が事あるごとに注目されるのはJリーグにとって有意義だろう。人々の関心がサッカー、Jリーグに向いてくれるわけで、それはそれで良いことだ。何より怖いのは無関心。日本サッカー界に刺激を与えてくれる意味で、町田は重要な存在だ。
文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
【記事】「話にならない」内田篤人、海外移籍について若手の“姿勢”に物申す「行けば。どこでもいいじゃん」
ちなみに警告数は1位が北海道コンサドーレ札幌、アビスパ福岡の49回、3位は横浜F・マリノスの47回、そして4位に町田の46回と続く。町田がファウル総数や警告数で断トツのデータを残しているわけでもないのになぜ「汚い」と騒ぎ立てられるのか。やはり「やっかみ」なのか。
正直、サッカーは綺麗なスポーツではない。実際に勝つための駆け引き(主審が見てないところでユニホームを引っ張るなど)が複数あり、ピンチを回避するためにわざとファウルする時もある。故意に選手を傷つける行為はもちろんダメだが、多少なりともずる賢さが求められるスポーツなのだ。
いずれにしても、町田が事あるごとに注目されるのはJリーグにとって有意義だろう。人々の関心がサッカー、Jリーグに向いてくれるわけで、それはそれで良いことだ。何より怖いのは無関心。日本サッカー界に刺激を与えてくれる意味で、町田は重要な存在だ。
文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
【記事】「話にならない」内田篤人、海外移籍について若手の“姿勢”に物申す「行けば。どこでもいいじゃん」