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豪州を破ったバーレーンの攻略法。カギを握る“後ろの選手の攻撃サポート”。ボランチの飛び出し、CBの外回りオーバーラップなど【日本代表】

カテゴリ:日本代表

河治良幸

2024年09月08日

流れ次第では遠藤航が前に出て行ってもいい

敵地で豪州に勝利したバーレーン。昨冬のアジア杯で勝利しているが侮れない相手だ。(C)Getty Images

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 森保ジャパンが中国に7-0と大勝して、ワールドカップのアジア最終予選史上でも最高のスタートを切った裏側で、次の対戦相手であるバーレーンがアウェーでオーストラリアを1-0と撃破。決勝点は相手のオウンゴールだったが、日本にとっても決して簡単な相手ではないことを印象付けた。

 半年前にアジアカップのラウンド16で戦い、3-1で勝利したが、指揮官がアルゼンチン出身のピッツィ前監督からボスニア・ヘルツェゴビナのタライッチ監督に交代し、基本システムも4-1-4-1から4-4-2にシフトしている。

 つまりシステムは前半の中国と同じだが、サイド攻撃に対しては4バックがスライドするのではなく、サイドハーフから一枚落ちてマンツーマン気味に対応する癖のある守り方をするため、もし日本が中国戦と同じ3バックで、攻撃時に5トップのような形を取っても、中国のような混乱はしてくれないと予想できる。

 しかも、局面での1対1はオーストラリア戦を見る限り、中国よりもタイトなので、簡単には剥がしにくいだろう。

 そうしたバーレーンの守備戦術をベースに攻略法をイメージすると、後ろの選手の攻撃サポートが鍵を握る。日本が中国戦と同じ3-4-2-1(3-2-4-1という表記もある)を継続する場合は、1トップが2枚のセンターバックを背負うことで、2シャドーに対するマークが浮きやすい状況をできるだけキープしたい。

 そうすることで、バーレーンが日本のアタッカー陣に対して可変な5バックで対応してきても、最終ラインにギャップを作れない分、2シャドーの二人は前向きにボールを持ちやすくなる。
 
 森保監督が2シャドーに誰を起用してくるかは不明だが、仮に中国戦と同じ久保建英と南野拓実だと想定するなら、二人がバーレーンの中盤と最終ラインの間をうまく使って、起点を作る役割が求められる。

 もちろん、そのためにはビルドアップの段階で、最終ラインとボランチの二人がバーレーンのプレッシャーをある程度、吸収して間延びを誘いたい。バーレーンは日本がブロックの手前でボールを持っている限り、そうした間延びは見せてくれない。ただし、サイドを狙う攻撃に対してサイドハーフの一枚は最終ラインに落ちる動きを見せるので、反対側から持ち上がれるスペースが生じやすい。

 たとえば一度、右のセンターバックがウイングバックに付けて、同サイドから縦に差す狙いを見せたところから、ボランチが斜め後ろに戻すパスを受けて、反対側にボールを振って行く。そこで左センターバックが空いたスペースを持ち上がることで、バーレーンの中盤はそこに対応せざるを得なくなり、2シャドーの南野と久保に対する前後のプレッシャーが緩くなる。

 そこで彼らに当てて、瞬間的に左ウイングバックがインに走り込んでワイドで絡んでもいいし、中央の状況次第では2シャドーと1トップでフィニッシュを完結させてもいい。

 ただ、そこでバーレーンのさらなる混乱を生み出す意味で、ボランチの飛び出しが得点の可能性を高める要素になるのではないか。中国戦のセットであれば、主に守田英正の役割になってきそうだが、流れ次第では遠藤航が前に出て行ってもいい。

 もう1つ有効なのは、センターバックの外回りのオーバーラップだろう。ウイングバックがインにポジションを取る場合、バーレーンのサイドバックは絞り気味にマークしてくるので、外側にはスペースが生じる。

 3バックの4バックにない強みは、センターバックがワイドから攻撃参加しやすいことだが、中国戦では左が三笘薫、右は堂安律と右シャドーの久保が入れ替わりながら外を効果的に使っており、あまりセンターバックが外側を回る必要がなかった。

 一度、三笘が中にポジションを取った状況で町田浩樹が上がり、クロスに持ち込んだシーンはあったが、バーレーン戦ではそうした形がより有効になりそうだ。

 町田はバーレーン戦のコンビが中村敬斗になる可能性も含めて「中国戦、僕がクロスを上げた場面とかは薫が相手を引き入ってきてくれた。そこは攻撃に比重かけられることだと思う」とイメージをしている。

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