【現地記者の英国通信】リーグ最年少軍団トッテナムが見つめる近未来

カテゴリ:ワールド

スティーブ・マッケンジー

2016年05月18日

【英国人記者のロンドン通信】リーグ最年少軍団トッテナムが見つめる近未来

得点ランクトップに立っているケインやPFA(イングランドサッカー選手協会)の最優秀若手賞を受賞したアリなど優れた若手がチームの躍進を牽引した。 (C) Getty Images

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 ご存じのとおり、今シーズンのプレミアリーグは5月2日の36節にトッテナムがチェルシーに勝てなかったことで決着がついた。王座に就いたのは、レスターだ。
 
 試合前の時点で9位に沈むチェルシーには、とくに何かが掛かっていたわけではなかった。しかし、彼らにもロンドン・ダービーという戦いにおける誇りだけは備わっていたようだ。
 
 同じ街のライバルのリーグ優勝を阻んだことは、目ぼしい目標もなかったチェルシー・ファンにとってシーズンのハイライトにもなった。それと同時に彼らは優勝争いから脱落した自分たちの立場を改めて疑問に感じたことだろう。
 
 さて、そのチェルシー戦で2点を先行しながらも83分に追いつかれたトッテナムだが、1960-61シーズン以来のリーグタイトル奪取を目指して最後まで奮闘していたのは、この試合で9枚のイエローカードを受けるほどのハードタックルを全員が体現していた事実が示す通りだ。
 
 しかし、レスターとトッテナム一騎打ちの様相となってからは、大半の人々がレスターの戴冠を望み、それをアシストしようとトッテナムを倒そうと躍起になっていた。
 
 実際のところ、トッテナムの優勝ストップに燃えていたのはチェルシー・ファンだけでなく、アーセナル、ウェストハムのファンたちも対戦機会を心待ちにしていたほどだ。
 
 仮にトッテナムの優勝争いのライバルがマンチェスターの2強だったならば、逆にトッテナムを後押しする声は多かったはずである。
 
 私も、ウェストハム・ファンのひとりとして、死闘を繰り広げてきたトッテナムのリーグ優勝は見たくなかった。だが、今シーズンの彼らの出来はリスペクトしなくてはならない。
 
 25ゴールを決め、得点王を獲得したハリー・ケインや、クリスティアン・エリクセン、デル・アリ、エリック・ダイアーなどが、実に迷いのないアグレッシブなサッカーを展開していた。
 
 トッテナムはチームの平均年齢が24歳台とリーグで最も若く、その若手たちがチームの主力として着実に成長していった。それこそが、彼らが昨シーズン以来、上昇気流に乗り、調子を落とさず戦い切れた最大の要因だろう。
 
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