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【指揮官コラム】カターレ富山監督 三浦泰年の『情熱地帯』|100年後の行く末と岡崎選手の情熱

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年05月17日

「奇跡の優勝」に貢献した岡崎選手が、高校時代に示した固い意志。

レスターの優勝パレードで歓喜に浸る岡崎。サッカーに懸けるひたむきさは、彼がプロ入りする前から三浦監督にもひしひしと伝わっていた。(C) Getty Images

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 イングランド・プレミアリーグのレスターが、創設133年目にして初のリーグ優勝を飾った。わずか2年前にチャンピオンシップ(2部)から這い上がり、昨シーズンはなんとか残留を果たしたというクラブの、まさに“奇跡的な”優勝だ。
 
 133年間――。
 おそらく、それは自分の立場を守るだけの人間には分からない年数だろう。100年後のクラブの行く末を考えている人は、現在の世の中にどれだけいるだろうか?
 
 これは「サッカーで生き抜く覚悟」のある人間たちにしか分からない「133年後の浪漫」なのであろう。そんな「奇跡」に歓喜できる国民性は、まさに“サッカーがなくては生きてはいけない”という日常があるからこそ生まれるものだ。
 
 僕の留学していたブラジル。隣のアルゼンチン。そしてレスターのあるイングランド……。“サッカーがなくては生きていけない”と言うに、ぴったりの国だ。100年後を考えるということは、今を打算なく懸命に生き抜くということ――。そんなことをこれらの国々は示している。
 
 それにしても、サッカーはなぜ世界で最も熱狂できるスポーツなのだろうか?
 その問いに対する、僕の意見を述べる前に――。
 
 レスターに日本人がいた。
 
「岡崎慎司」
 
 彼とはこんなエピソードがある。僕がヴィッセル神戸にチーム統括本部長として所属していた頃のことだ。岡崎選手が17歳の高校生の時、僕は二度、彼の家族(お母さん)とも会い、入団交渉をした。
 
 その時、神戸より早い段階で目をつけていたのが清水エスパルスだった。当時のスカウトは興津大三氏(元清水、C大阪)だった。
 
 彼の選手に対する情熱。時間の掛け方。考え方。そして人間性は、プロフェッショナルで素晴らしかった。
 
 滝川二高の岡崎選手に会いに行くたびに、電話で「会わせてもらいます」と僕に連絡を入れるのである。
 
 連絡を入れる必要などないのにもかかわらず、僕が「そんな電話なんて必要ないよ」と言っても、彼が岡崎選手に会うたびに連絡があった。
 
 そして、岡崎選手ははっきりとこう言った。「清水でプレーします!」と。
 
 その理由をこう語った。
「僕、神戸にいたら甘えてしまうと思うんです」
 僕は言い返す。
「甘やかすことなんてないよ!」
 
 説得を試みても岡崎選手の決意は固く、意思を変える気配はなかった。
 
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