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“ワールドクラス”を活かせなかったイングランドの限界。現地記者もパーマーの起用法を批判した「彼はいつもベンチにいた」【コラム】

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2024年07月20日

ベリンガムは左サイドで窮屈そうにプレーしていた

パーマー(24番)の起用法は物議を醸した。(C)Getty Images

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 イングランドは悲願の優勝にまた手が届かなかった。手負いの獅子は何とか決勝までたどり着いたが、スペインとの差は小さくはなかったというのが正直なところだろうか。

 チームワークはもちろんある。ミスパスが起きると、すぐ互いに手をたたいて鼓舞し合う。懸命に戦っている。それも間違いない。ファンのサポートは素晴らしかった。スタジアムには多くのイングランドファンが駆けつけ、ドイツ紙によると3分の2はイングランドファンが占めていたという。誇り高く国歌を歌い、大声でチームを支え続けた。

 サッカーは失点さえしなければ、もししても最少失点で抑えておけば、どこかで勝機をつかむ可能性が出てくる。決勝トーナメント1回戦の対スロバキアにおけるイングランドがまさにそうだった。敗戦濃厚なアディショナルタイムに放たれたジュード・ベリンガムのオーバーヘッドキックがチームを生き返らせ、延長戦でハリー・ケインが逆転ゴールをあげて勝ち残ってきた。準々決勝のスイス戦も、準決勝のオランダ戦も凌いで凌いで決勝まで残ってきた。

 だがスペインには適わなかった。120分の試合が2度もあった。準決勝後の休養日もスペインより一日少ない。最後には疲れで足が止まるのもいたしかたないのかもしれない。

 最終順位は準優勝。1966年W杯以来となる国際ビックトーナメントでの優勝はならずも、並みいる強豪を抑えての欧州2位だ。それもEURO2020に続いて2大会連続。戦績としてはすごい。ただ、称賛よりも疑問や不安、不満の声が大きいのも確かな事実だ。
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 例えばドイツ誌『キッカー』のトーマス・ベーカー記者はコール・パーマーをなぜもっと起用しなかったのかと批判する。

「プレミアリーグのベストヤングプレーヤーでイングランド人最多得点者。決勝でゴールを決めたのも偶然ではない。でも彼はいつもベンチにいた」

 イングランド代表の選手たちは、所属クラブでそれこそワールドクラスの輝きを放っている。スペイン戦も本当にワンチャンスからゴールが生まれた。ベリンガムのポストプレーから左足でゴール左へきれいに決めたのはまさにそのパーマーだった。

 記者席近くでは上半身裸のイングランドファンが狂喜乱舞。でも誰も彼を止めない。セキュリティスタッフも彼に握手をし、近くのイングランドファンは次々に抱きついている。

 だが、こうした輝きがほとんど見られないまま終わってしまった。決勝戦だけではなく、大会を通して。起用された選手のパフォーマンスもそうだし、起用法そのものもそうだ。もちろんクラブチームと代表チームは違う。そこに順応し、対策を練ることが重要なのはどの国も同様だ。

 だとしても、所属クラブで見せているパフォーマンスとあまりに違いがあるとやはり首をかしげざるをえない。ペップ・グアルディオラやユルゲン・クロップ、カルロ・アンチェロッティのも下で躍動感たっぷりにプレーしている選手たちとどうしても比べてしまう。

 フィル・フォデンは本職なはずのトップ下でも違いを生み出せず、ベリンガムは左サイドで実に窮屈そうにプレーしていた。
 
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