なぜ町田が批判されるのか分からない。東京V戦でも光った黒田監督の手腕【コラム】

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2024年07月14日

東京クラシックでダブルを達成

東京V戦で町田を勝利に導いた黒田監督。写真:サッカーダイジェスト

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 2024年7月14日、東京ヴェルディとFC町田ゼルビアによる東京クラシックが味の素スタジアムで開催された。今季最初の顔合わせ(J1リーグ15節)では町田が東京Vに5-0と圧勝。今回は東京Vがホームでリベンジを果たすのか、それとも町田がダブル(連勝)を達成するのか。その点でも注目の一戦だった。

 立ち上がりから割り切った戦い方をしたのが、アウェーの町田だ。後方から躊躇なくロングボールを前線に蹴り込み、東京Vにプレッシャーをかけた。すると、6分、鈴木準弥のクロスに藤尾翔太が右足で合わせたシュートが相手に当たる形で先制したのである。

 今季の町田らしい、手数をかけない攻撃だった。その点で、町田はしてやったり。前回対戦と同じく早い時間帯に先制できたことでゲームをコントロールしやすくなった。実際、そこから何度かピンチを迎えたものの、攻守ともに“形”がしっかりと見えていたのは町田のほうだった。

 FW藤尾が起点のカウンターは切れ味鋭く、ボールを奪われれば4-4-2の3ラインブロックで組織的にハメに行く。一方の東京Vがなかなか突破口を見出せなかった点で、特に前半は町田のゲームに映った。
 
 後半は前半ほどペースを握れず押し込まれる時間帯もあったが、それでも町田の安定感は光った。東京Vの遅攻にも速攻にも対応して最後は跳ね返す町田の守備網は強固(GK谷晃生のクロスへの反応は半端なかった)で、ここまでの組織を作り上げた黒田監督の手腕は特筆に値するだろう。

 正直、なぜ町田が批判されるのか分からない。サッカーのスタイルの好き嫌いはあるにせよ、それ以外の感情でチームを叩くのがいまひとつ理解ができないのだ。テクニカルファウルをするから? わざとプレーを遅らせるから? 個人的な見解を述べさせてもらうなら、色んな局面で駆け引きがあるサッカーは決して綺麗なスポーツではないし、いわゆるマリーシアもテクニックの一部。それも含めてのサッカーではないのか。

 いずれにしても、東京V相手にダブルを達成(この試合は町田が1-0と勝利)。町田の強さは本物だ。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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