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劇的展開で8強入りも、ファンやメディアとの対立を感じるイングランド。34年前のイタリアW杯を思い出す【現地発】

カテゴリ:ワールド

スティーブ・マッケンジー

2024年07月01日

土壇場でスロバキアに2-1の逆転勝利

準々決勝に勝ち進んだイングランドは、ここから調子を上げられるか。(C)Getty Images

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 ドイツで開催されているEURO2024で、イングランド代表チームと母国メディアや多くのファンが対立しているように感じる。

 メディアやファンは代表チームのパフォーマンスに不満を抱いており、特にガレス・サウスゲイト監督をターゲットにしている。ちなみにこれは名誉のために言っておくが、彼は選手たちを守ろうと、ほとんどの批判を受け入れている。

 決勝トーナメントへ進むことが一番の目的だったグループステージでの戦いは、1勝2分の無敗。首位通過を果たしたが、確かにパフォーマンスは素晴らしいものではなかった。

 かなり前の話になるが、1990年に開催されたイタリア・ワールドカップでも同じようなことがあったのを思い出す。イングランドはグループステージで非常に低調で、ひどい非難を浴びていた。しかし決勝トーナメントでは調子を上げて、準決勝に進出。帰国後は英雄的な歓迎を受けた。

 今回のEURO2024ではどうなるだろう。ラウンド16でスロバキアと激突した。私は代表チームがメディアやファンの信頼を取り戻す絶好の機会になるだろうと思っていた。

 しかし25分に安易な形で先制点を奪われて、1点ビハインドで前半が終了。多くのファンからはブーイングが起こっていた。
【動画】ベリンガムの劇的オーバーヘッド弾&ケインの決勝ゴール
 イングランドの良いところは、選手層が厚く、才能がある選手たちの中から交代カードを選べることだろう。アンソニー・ゴードンやコール・パーマーなど2023-24シーズンにプレミアリーグで活躍した選手たちが多くいる。それでもサウスゲイト監督は、ハーフタイムに交代を決断しなかった。最初の交代でパーマーが投入されたのは66分だ。

 その後も得点を奪えずにいると、試合途中にもかかわらずファンたちは勝利を諦めているかのように、優勝候補だった大会で敗退したことに対する強い失望に、指揮官がどう対処するのかというのが話題になっているほどだった。

 それでも90+5分にジュード・ベリンガムが素晴らしいバイシクルショットを決めて、土壇場で同点に。さらに延長戦ではハリー・ケインが勝ち越し弾を奪取。2-1で何とか準々決勝に駒を進めた。

 試合内容があまりにお粗末だったことを考えれば、よく逆転に持っていったと思う。このパフォーマンスでメディアやファンの信頼を取り戻せたかどうかはわからないが、ここから勢いに乗り、勝ち続けて再び英雄になれることを願っている。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。

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