かつては「国歌も歌えない非愛国者」とまで揶揄され…
6月に開幕したコパ・アメリカ2024で、優勝候補の筆頭のアルゼンチンが下馬評通りの強さを見せている。グループステージの初戦から危なげなく3連勝を飾り、首位で決勝トーナメント進出が決定。21年大会からの連覇に向けて視界良好だ。
そのアルゼンチンで、いまなお大黒柱として君臨しているのが37歳のリオネル・メッシだ。2022年のカタール・ワールドカップ(W杯)で母国を36年ぶりの優勝に導き、文字通り国民の英雄となったメッシだが、代表ではつねに順風満帆だったわけではない。
期待を背負いながらもタイトルを獲得できず、「失敗」とまで揶揄されてきたのだ。そんなメッシ率いるアルゼンチンが、いかにして世界王者の称号を手にし、黄金の輝きを放つようになったのか。英雄メッシと彼を支えた仲間たちの、驚きと感動に満ちた大冒険だ。
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かつては「よそ者」として冷たい視線を浴び、「国歌も歌えない非愛国者」とまで言われたひとりの若者が、幾多の敗北を乗り越えて世界一の称号を掴み取り、誰もが認める国民的英雄になる――。まるで映画のプロットのような展開だが、アルゼンチン代表におけるリオネル・メッシのストーリーは、フィクションを超えた驚きと感動に満ち溢れている。
そのアルゼンチンで、いまなお大黒柱として君臨しているのが37歳のリオネル・メッシだ。2022年のカタール・ワールドカップ(W杯)で母国を36年ぶりの優勝に導き、文字通り国民の英雄となったメッシだが、代表ではつねに順風満帆だったわけではない。
期待を背負いながらもタイトルを獲得できず、「失敗」とまで揶揄されてきたのだ。そんなメッシ率いるアルゼンチンが、いかにして世界王者の称号を手にし、黄金の輝きを放つようになったのか。英雄メッシと彼を支えた仲間たちの、驚きと感動に満ちた大冒険だ。
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かつては「よそ者」として冷たい視線を浴び、「国歌も歌えない非愛国者」とまで言われたひとりの若者が、幾多の敗北を乗り越えて世界一の称号を掴み取り、誰もが認める国民的英雄になる――。まるで映画のプロットのような展開だが、アルゼンチン代表におけるリオネル・メッシのストーリーは、フィクションを超えた驚きと感動に満ち溢れている。
その英雄伝説は、苦楽をともにした仲間の存在なくして語ることはできない。とくに88年生まれのアンヘル・ディ・マリア、ニコラス・オタメンディ、そしてセルヒオ・アグエロ(21年12月に現役引退)の3人は、87年生まれの先輩メッシを支える重要な役割を果たしてきた。この4人がいわゆる“黄金世代”の代表格である。
だが彼らを黄金世代と呼べるようになるのは、22年のカタールW杯で優勝を成し遂げてから。それまでは、あろうことか「失敗の世代」と揶揄されてきたのだ。
旅の始まりは05年のワールドユース(現U-20W杯)。内向的な性格でグループに溶け込めずにいたメッシを救ったのはアグエロだった。その純真無垢で飾り気のない人柄に心を開き、チームに馴染んだメッシは、大会MVPと得点王に輝く大活躍で優勝に貢献。これがアルビセレステ(空色と白)のユニホームを着て最初に獲得したタイトルとなった。
続く07年のU-20W杯では、A代表の一員としてコパ・アメリカに参加していたメッシが不在の中、MVPと得点王を受賞したアグエロ、3ゴール・2アシストをマークしたディ・マリアがチームを牽引して連覇を達成。3人は翌08年には北京五輪に出場し、金メダルを獲得した。本大会で揃って2ゴールずつを記録した攻撃トリオは、文字通りA代表の未来を担う新時代の旗頭として期待されるようになった。
だが彼らを黄金世代と呼べるようになるのは、22年のカタールW杯で優勝を成し遂げてから。それまでは、あろうことか「失敗の世代」と揶揄されてきたのだ。
旅の始まりは05年のワールドユース(現U-20W杯)。内向的な性格でグループに溶け込めずにいたメッシを救ったのはアグエロだった。その純真無垢で飾り気のない人柄に心を開き、チームに馴染んだメッシは、大会MVPと得点王に輝く大活躍で優勝に貢献。これがアルビセレステ(空色と白)のユニホームを着て最初に獲得したタイトルとなった。
続く07年のU-20W杯では、A代表の一員としてコパ・アメリカに参加していたメッシが不在の中、MVPと得点王を受賞したアグエロ、3ゴール・2アシストをマークしたディ・マリアがチームを牽引して連覇を達成。3人は翌08年には北京五輪に出場し、金メダルを獲得した。本大会で揃って2ゴールずつを記録した攻撃トリオは、文字通りA代表の未来を担う新時代の旗頭として期待されるようになった。