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MVP受賞は「チームとして受け取ったもの」。キャプテン藤田譲瑠チマの言葉で読み解く大岩Jの成長【U-23アジア杯】

カテゴリ:日本代表

松尾祐希

2024年05月04日

先発起用されれば、ほとんどのゲームで腕章を巻く

大会MVPに輝いた藤田。リーダーシップを発揮したが、周りに支えられていたという想いが強い。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 トロフィーを掲げた背番号8は、とびっきりの笑顔で仲間たちと喜びを分かち合った。そこに緊張や重圧から解放された雰囲気は微塵もない。安堵感とも違う。ただただ最高の瞬間に酔いしれた。

 5月3日に行なわれたU-23アジアカップの決勝。日本はウズベキスタンを1-0でくだし、4大会ぶり2度目の優勝を飾った。

 誰かひとりのおかげでアジアの頂点に立ったわけではない。23人の選手だけでなく、スタッフも含めて全員の力で勝ち取った勲章だが、“キャプテン・藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)”の存在なくして、覇権奪回は成し得なかっただろう。

 2年前の2022年3月に立ち上がったパリ五輪世代のチームにおいて、発足当初からリーダー役に指名されていたのが藤田だった。大岩剛監督は明確にキャプテンを指名せず、試合毎に決めるスタイルを採用。それでも藤田は先発起用されれば、ほとんどのゲームで腕章を巻いていた。

 16強入りした2019年のU-17ワールドカップも経験しており、メンバーの中で国際舞台での経験値は高い。中止となった21年のU-20ワールドカップでも出場していればキャプテンを務めていたはずで、物事を冷静に見る視点や、誰に対しても意見を言える性格は、まさにリーダータイプだ。

 21年の東京五輪では事前合宿にトレーニングパートナーとして参加し、DF中山雄太(ハダースフィールド)やDF板倉滉(ボルシアMG)らが本音で議論しながらチームがまとまっていく様子を間近に見ていた。貴重な時間を共有できた点も含めて、パリ五輪世代で最もキャプテンに相応しい人材だったからこそリーダー役を任された。
 
「本気でサッカーの話をできる選手が少ない」と嘆いた時期もあったが、創意工夫をしながらチームをまとめ上げてきた。

 正式にキャプテンに指名された今回のU-23アジア杯では、先達の助言をしっかりと聞き入れた。開催地カタールでプレーする日本代表のCB谷口彰悟(アル・ラーヤン)が開幕前にチームの激励に訪れ、その際に選手間ミーティングの重要性を説き、藤田もこれを実施する。

 グループステージ(GS)最終節で韓国に0-1で敗れたタイミングで開催し、チームの心をひとつにさせた。要所でリーダーシップを発揮するなど、その振る舞いはまさに頼れるキャプテンだった。

 自身のパフォーマンスもずば抜けており、GS第2節のUAE戦を除く5試合でピッチに立ち、そのうち4試合にフル出場。準々決勝のカタール戦(4-2)は120分を戦ったが、以降も疲労を感じさせないプレーで攻守のリンクマンとして奮闘する。

 準決勝のイラク戦(2-0)では、鮮やかなフィードと正確なワンタッチパスで2アシストをマーク。決勝のウズベキスタン戦でも劣勢を強いられるなかで、中盤の底でピンチの芽を潰しながら、攻撃の起点となって勝利に貢献。山田楓喜の決勝点も、藤田の鋭い縦パスが起点となった。

 質の高いパフォーマンスを示し続けた男は、大会MVPに輝く。決勝後のセレモニーでその名が読み上げられると、チームメイトから手荒い祝福を受けた。

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