「だいぶ慣れてきました。今はサッカーに集中できる環境が整っていて、とても充実した日々を送れています」
――今シーズン、自分自身に課しているテーマなどはありますか。
「難しいことですが、選手である以上はスタメンを勝ち取らないといけないと思っています。だから“試合に出なければ”というプレッシャーはあります。でも、いまは選手として成長期にあると思うので、自分自身を成長させることも常に考えています」
――自分自身でなにか変わりましたか。
「もちろんプレーに対する意識という面ではすべて変わりました。ほかにも食事とか、私生活の部分でも以前より気を遣うようになりました」
――高校時代のことを聞かせてください。2年生のときに東京Vユースを退団して青森山田高に編入しました。
「最初は自分が途中で青森山田に行くなんて考えてもいませんでした。けれども自分自身の成長を考えたとき、もっと厳しい環境で、もっともがき苦しみながらやった方が、より成長できるのかなって思うようになったんです。ヴェルディの仲間には本当に申し訳なかったのですが、いまこうしてベルマーレのユニホームを着させてもらい話をすることができるのも仲間のおかげなので、凄く感謝しています」
――編入を考えたのはいつごろですか。
「高校2年生の時になかなか結果が出なくて、その時期に自分自身についてよく考えたんです。10月くらいに『何かを変えて行かなければ』と思うようになり、その気持ちがどんどん大きくなったという感じです」
――青森山田高を選んだ理由は?
「高校サッカー選手権で青森山田の柴崎岳選手を観て凄いなと感じました。しかも学校の映像を見たら、雪の中でもサッカーをしているんです。この環境こそ自分にぴったりだと思ったので、青森山田に決めました」
――高校サッカーを1年間経験しましたが、どんな財産になっていますか。
「まずサッカーももちろんですけど、人間としてすべての面で成長できたと思います。人としてのマナーだったり、きちんとした挨拶などが、青森山田で鍛えられた部分だと思いますし、そのおかげでサッカーの方も順調に進むことができたのではないでしょうか」
――選手権終了後、すぐに湘南に合流しました。切り替えはできましたか。
「多少は残っていたものもあるんですけど、それが自分の成長のための次の一歩だと思っていたので、ポジティブに捉えました。準決勝で負けたことは悔しいんですが、今は負けて逆にプラスになったのかなとも感じます。優勝してちやほやされるぐらいだったら、負けて次のステージでもっとプレーしたいなと思えたし、あの敗戦は僕だけではなく様々な道に進んでいったチームメイトの成長にも繋がっているような気がします」
――準決勝で敗れた後、チームメイト一人ひとりと抱き合っていました。
「みんなは3年とか6年間一緒にいますけど、自分は1年だけ。途中から入ったことを考えると、よく自分を受け入れてくれたなっていう気持ちが強くて、感謝の気持ちで一杯でした。だから、一人ひとりに声をかけて、『本当にありがとう』と伝えました」