「おーちゃん（大橋祐紀）に２点を取られての敗戦。シンプルに、悔しい」

　普段は理路整然と自身の想いを語るキム・ミンテが、この日ばかりは言葉を詰まらせた。

　４月７日、湘南ベルマーレはJ１第７節でサンフレッチェ広島と敵地で対戦。昨季まで平塚の地で戦った大橋に“恩返し”の２発を決められ、０－２と手痛い黒星を喫した。

　広島戦から３日後の公開練習で取材に応じたキム・ミンテ。無念の敗戦からしっかりと気持ちを切り替えているのだろう。トレーニング中も積極的に周囲に声をかける、いつも通りの振る舞いを見せていた。それでもCBとして、目の前で元同僚ストライカーに仕事を許した悔しさは簡単には晴れない。

　ただ、広島戦は課題だけでなく、収穫もあったとキャプテンは語る。

「後半開始早々にボングン（ソン・ボムグン）が退場して10人になってから“０－１のまま維持できれば...”というメンタリティで、チーム全員が最後まで身体を張って戦えた。そういった戦い方を11人で戦う時もベースにしなければいけません」
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　次節は再び敵地で、横浜F・マリノスと対戦する。広島戦の悔しさを神奈川ダービーで晴らすために必要なものを、キム・ミンテは次のように考える。

「マリノスは攻撃力が高く、ボールを持った時に強みを発揮できるチーム。ただ、自分たちとは違い水曜日に試合があるので、連戦による疲労もあるはず。前半をゼロで抑えられれば、後半にチャンスが来ると思う」

　同時に、湘南の弱点も分析する。

「後半に決定機が来そうな一方で、前半に良いサッカーができても、後半に落ちてしまうのがうちの弱点。試合途中の相手の変化に対応しきれない面もあります。守備ばかりだと体力的に厳しくなってしまうので、どれだけボールを握れるかが課題。保持の時間が増えれば、体力的な余裕ができる。

　もちろんリスクもありますが、縦ばかりではダメ。僕や（鈴木）雄斗、阿部（浩之）ちゃんを中心にポゼッションでリズムを作れるようになれば、後半も勢いを維持できます。なんとか改善して、後半のチャンスをモノにできるチームになっていかなければいけません」

　湘南はキム・ミンテが考える課題を解決し、結果につなげられるか。横浜戦は４月13日、14時にキックオフ予定だ。

取材・文●岩澤凪冴（サッカーダイジェスト編集部）

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