【今日の誕生日】3月18日/新生なでしこの中心選手となれ!――岩渕真奈(バイエルン)

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年03月18日

魅惑のドリブラーは今、首位を独走するバイエルンで奮闘中。

見ていて楽しいドリブルテクニックでチャンスを作り、自らゴールも奪う。岩渕の課題はより決定力を高めること、そして怪我をしないことだろう。 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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リオ五輪予選後に宮間と。代表引退が噂されるキャプテンに代わり、今後は岩渕がチームをリードしていくことが求められる。 (C) Getty Images

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◇岩渕真奈:1993年3月18日生まれ 東京都武蔵野市出身
 
 先日、リオデジャネイロ・オリンピック予選敗退を喫したなでしこジャパン。長くチームを率いた佐々木則夫監督が退任し、キャプテンの宮間あやをはじめとする多くの主力選手にも代表引退の噂が流れるなど、一時代の終焉を強く感じさせられた。
 
 転換期を迎えたなでしこ。ここから新たな歴史を創っていくこととなるが、そこで中心選手となることが期待される選手のひとりとして、岩渕真奈が挙げられる。
 
 残念な結果に終わった今予選でも、韓国戦、ベトナム戦、北朝鮮戦で1点ずつを挙げてチーム最多得点者となるなど、結果は残した。
 
 2005年に日テレ・メニーナに入団し、2年後にはトップチームのべレーザに昇格した岩渕は、2012年までの在籍期間でリーグ3回、リーグカップ3回、皇后杯2回のタイトル獲得に貢献。個人では08年に新人賞を受賞し、11年はベストイレブンにも選出されている。
 
 クラブと並行して代表キャリアも順調に積み重ねていく。07年にAFC・U-16女子選手権(準優勝)、08年にU-17女子ワールドカップ(ベスト8)、09年にAFC・U-19女子選手権(優勝)、そして10年にはU-20女子ワールドカップ(グループリーグ敗退)に出場した。
 
 U-17女子ワールドカップ、U-19女子選手権では大会MVPに選出されるなど、世界レベルで知られることになった“天才ドリブル少女”は、17歳でフル代表にも招集。そして、なでしこジャパンの栄光のメンバーとして、数々の歓喜を味わうこととなった。
 
 11年、劇的な世界制覇に日本中が湧いた女子ワールドカップでは、決勝戦を含む5試合に出場。なでしこに流れを取り戻させる貴重な存在として、限られた時間のなかで活躍した。
 
 翌年のロンドン五輪では3試合に出場。決勝のアメリカ戦では1点ビハインドの77分に交代出場し、自らボールを奪って決定機も得たが、シュートコースが甘く決められなかったことを本人は悔やんだ。
 
 そして、準優勝を飾った昨年の女子ワールドカップでは、5試合で交代出場。準々決勝のオーストラリア戦では値千金の決勝ゴールを決めて、勝利の立役者となった。
 
 この3大会でスタメン出場は1試合(ロンドン五輪の南アフリカ戦)だが、今後は主力として新生なでしこをリードしていくことが、23歳になった岩渕には求められる。
 
 そのためには、日頃身を置くクラブでの活躍も不可欠となるが、現在、岩渕はドイツのバイエルンでプレーしている。
 
 12年にドイツへ渡り、ホッフェンハイムで2シーズンを過ごした後、現クラブへ移籍。昨シーズンは13試合に出場して3ゴールを挙げ、39年ぶりのリーグ制覇に貢献した。
 
「マナドーナ」の異名通りの技巧的なドリブルはドイツでも大きな話題を呼び、あのマヌエル・ノイアーが岩渕のプレーに見入ったというエピソードも伝わってきたほどである。
 
 怪我が多く、なかなか継続してプレーできない(今シーズンの出場は1試合)ことに悩み、日本帰国も考えたという岩渕だが、先日、新たに契約を2年延長したことを発表。今後、異国で得た経験を日本女子サッカー界、そしてなでしこジャパンに還元してくれることを期待したい。
 
 なおバイエルンは今シーズン、ここまで15試合を戦って13勝2分けという好成績で首位を独走している。これを勝点差10で追うのがフランクフルト。岩渕と同じくなでしこジャパンで活躍する大儀見優季が今シーズンより在籍するクラブだ。
 
 大儀見はここまで、12試合に出場して2得点の記録。ちなみに今週末は勝点差わずか3の3位ヴォルフスブルクとの対戦となる。大儀見にとっては、昨シーズン在籍した古巣との対決でもある。
 
 なお、他の日本人選手では、6位のエッセンでは安藤梢が、9位のトゥルビネ・ポツダムには大儀見の妹である永里亜紗乃が在籍。欧州全体に目を向けると、フランスでプレーする宇津木瑠美(モンペリエ)、熊谷紗希(リヨン)などが異国で奮闘している。

強豪バイエルンで技を磨く。今シーズンは怪我などもあり、2月14日のケルン戦でようやくリーグ初出場(82分から)を果たしている。

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ドイツ、イングランドのクラブを渡り歩いた先輩・大儀見の実績は輝かしい。ポツダム時代に3度のリーグ優勝と1度の欧州制覇を果たし、12-13シーズンにはリーグ得点王に。昨シーズンはヴォルフスブルクで国内カップを制した(写真)。 (C) Getty Images

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