韓国にあって日本にないもの――。むしろそれが森保ジャパンの武器となる【アジア杯】

カテゴリ:日本代表

江國森(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)

2024年01月28日

不甲斐ないチームに苛立ちを見せるシーンも

ベスト16での対戦は回避された日本代表(上)と韓国代表(下)。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

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 アジアカップの優勝候補として下馬評の高かった日本と韓国は、ともにグループステージで苦戦を強いられた。

 森保ジャパンは4-2で勝利したものの、初戦からベトナムに手を焼き、続くイラク戦に1-2で敗北。インドネシアとの第3戦には3-1で快勝したとはいえ、グループDの首位をイラクに譲った。

 一方の韓国も3-1で白星を挙げたバーレーン戦から内容が悪く、ヨルダン戦(2-2)、マレーシア戦(3-3)とまさかの連続ドロー。バーレーンの後塵を拝し、日本と同じ2位通過となった。

 韓国がマレーシア戦の後半アディショナルタイムに失点をして引き分けたことで、ラウンド16で実現するかに思われた日韓戦は回避された。ともに順当に勝ち上がれば、決勝で相まみえるが、今大会で旋風を巻き起こしている中東勢を倒すのはもちろん簡単ではない。

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 韓国の命運を握るのは、やはり絶対エースのソン・フンミンだ。トッテナムでプレミアリーグの得点王にも輝いたアタッカーは、主将として64年ぶりの戴冠に並々ならぬ意欲を見せる。

 ただ、気になるのは、過酷なプレミアリーグのシーズン途中で参戦しているにもかかわらず、予選リーグの3試合にフル出場した点だ。それも、キックオフ時間はすべて強い日差しが残る14時半。疲労は蓄積しているだろう。第3戦のマレーシア戦では、休ませようと思えば休ませられる状況だったが、そうしなかった。

 韓国のベテラン記者によると、責任感が強いソン・フンミンは、休んだり、交代をしたりするつもりは毛頭ないそうだ。「もしソン・フンミンをベンチに置いたり、途中で交代させたりするとしたら、(ユルゲン・)クリンスマン監督は相当の説得をする必要がある」という。

 ただ、それは韓国にとってウィークポイントになる可能性もある。そのキャプテンはここまで2点を決めているとはいえ、いずれもPKで、それほどキレは感じられない。しかも、3戦とも苦戦したため、フルパワーを出していた。

 不甲斐ないチームに苛立ちを見せるシーンもあり、一人で責任を背負い込んでいる印象も受ける。22歳のMFイ・ガンインが好調なのは心強いが、韓国が勝ち上がるにはソン・フンミンの活躍は不可欠。エースに負荷がかかり過ぎているのは気になるところだ。
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