【ビッグクラブの回顧録】“あの時”のユナイテッドを振り返る vol.18~2007-08シーズン ~

カテゴリ:メガクラブ

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年03月15日

チェルシーとの死闘を制し、9年ぶりに欧州制覇!

チェルシーとデッドヒートを繰り広げたが、危なげない戦いぶりでプレミアリーグ2連覇を成し遂げた。 (C) Getty Images

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 アレックス・ファーガソン監督の厳しい規律の下、若手とベテランが噛み合って覇権奪還を達成した前シーズンの戦いに、新たな黄金期到来の手応えを掴んだユナイテッドは、この2007-08シーズンもチャンピオンロードを邁進する。
 
 夏の移籍市場では、ウェストハムからカルロス・テベスを2年間のレンタル契約で獲得。しかし、ウェイン・ルーニーと同タイプのFWで、問題児でもあったアルゼンチン代表ストライカーには、加入当初は懐疑的な目が向けられていた。
 
 そうしたネガティブなムードを助長させるかのように、開幕から3戦未勝利とユナイテッドは躓き、さらにルーニーが開幕戦で骨折、クリスチアーノ・ロナウドは第3節から3試合の出場停止……。テベスも調整不足を露呈し、攻撃のキーマンたちが揃って精彩を欠いた。
 
 この時期、チームを支えたのは鉄壁のDF陣だった。ネマニャ・ヴィディッチ、リオ・ファーディナンドが並ぶDFラインには相変わらず隙がなく、故障で戦列を離れたガリー・ネビルの穴埋め役として存在感を示したウェズ・ブラウンの貢献も大きかった。
 
 この守備陣の奮闘に応えるように、攻撃陣も徐々にキレを取り戻し、9節のウィガン戦で4-0と快勝すると、そこから3戦続けて4ゴールを決めてチームは一気に加速。周囲からの批判は、いつしか消えていった。
 
 その快進撃の中心にいたのは、言うまでもなくC・ロナウドだ。
 
 入団以来、進化を続けてきたドリブラーは、多彩なフィニッシュワークに磨きがかけ、ストライカーとしての能力を覚醒させる。そして公式戦で42ゴールを荒稼ぎし、ジョージ・ベストの持つMFのクラブ最多得点記録をあっさりと更新してみせた。
 
 彼の派手なパフォーマンスの影に隠れるかたちとなったものの、チームに馴染んだテベスもムービング・フットボールの一翼を担い、不安視されたルーニーとも見事に調和。ゴールを量産し、期待以上の働きを披露した。
 
 こうして攻守に最適解を見出し、完璧な統率が保たれたユナイテッドは80得点・22失点とリーグトップの数字を記録し、文句なしの2連覇! ファーガソン体制では10度目となる、プレミアリーグ制覇を果たしたのだった。
 
 しかし、このシーズンの最大のハイライトとなったのは、チャンピオンズ・リーグ(CL)だ。
 
 決勝までの12試合を無敗で突き進んだユナイテッドは、チェルシーとのイングランド勢対決に臨んだ。モスクワでの決戦は、互いに1点ずつを奪い合い、延長戦でも決着がつかずにPK戦へともつれ込む。
 
 ともに2人が成功した後、ユナイテッドは、この日、先制点を決めていたC・ロナウドがまさかの失敗。窮地に追い込まれた赤い悪魔……。そんな彼らを救ったのは、雨でぬかるんだピッチだった。チェルシーの5人目、ジョン・テリーが足を滑らせ、ボールは大きく枠を外れたのだ。
 
 絶体絶命のピンチから幸運を引き寄せたユナイテッド。守護神のエドウィン・ファン・デルサルがチェルシーのラストキッカー(7人目)、ニコラ・アネルカのシュートをストップし、9年ぶりにビッグイヤーを手にした。
 
 試合終了後、大雨のなか、プレッシャーから解放されたエースのC・ロナウドが感涙にむせびながら倒れ込んだ姿に象徴されるように、ユナイテッド関係者にとっては、これ以上ないドラマチックな戴冠劇だった。
 

決めればチェルシーが優勝という場面で、テリーはぬかるんだピッチに足を取られ、まさかのキックミス。これで流れが大きく変わり、ユナイテッドがビッグイヤーを獲得した。 (C) Getty Images

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プレミアリーグで31ゴールを叩き出し、圧倒的なパフォーマンスを披露したC・ロナウド。CL決勝後は、優勝に涙する姿が見られた。 (C) Getty Images

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