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世界の舞台で気づいた。“高校ナンバーワンSB”吉永夢希のボール奪取は、まだまだ“つもり”だった。「ワンランク、ツーランク上げていかないと」

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2023年12月08日

残留を決める決勝弾をアシスト

まずは選手権出場を目ざす吉永。卒業後はベルギーに渡る。写真:安藤隆人

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“高校ナンバーワンSB”として呼び声が高い神村学園DF吉永夢希。卒業後にベルギー1部のヘンクに加入することが内定している逸材は、11月にインドネシアで開催されたU-17ワールドカップを経験して、さらに自らのプレー、将来に向けての考えと意識が高まってきている。

「U-17ワールドカップでは守る時間が長くて、守備で振り回された時に攻撃で自分の持ち味を出せなかったので、そこは課題だと思いました。左サイドバックでもサイドハーフでも、世界で戦っていくためには守備が重要だと本当に強く学びました」

 11月29日に行なわれたプレミアリーグWEST第19節(延期分)の履正社戦。左SBでスタメン出場した吉永は、チームのプレミア残留がかかった大一番で、攻守において強度の高いプレーを披露した。

 特に守備から攻撃に切り替わる瞬間の前への出力は、明らかにこれまでよりも力強く、そして攻撃参加の質も高かった。0-0で迎えた63分には、左CKが右サイドに流れると素早く反応し、ニアのスペースに飛び込んだFW西丸道人へピンポイントクロス。残留を決める決勝弾をアシストした。

「プレミア残留は後輩たちのために果たさないといけない責任だと思っていたので、それが達成できたことは嬉しく思います」

 試合後、吉永はまずは1つのミッションをクリアしたことに安堵の表情を浮かべた。その後、守備の強度が上がった印象を伝えると、彼は改めて自分の中にできた新たな基準についてこう口を開いた。

「アフリカの選手はめちゃくちゃ速いし、南米の選手は球際がめちゃくちゃ強いですし、ヨーロッパの選手はボール運びやコントロールが上手い。U-17ワールドカップを通して、あらゆる地域のトップレベルの選手と戦ったことは、楽しかった反面、すべてにおいて対応できる選手にならないといけないと思いました」

 U-17日本代表を率いる森山佳郎監督からは、代表活動中は常に「本気で奪いに行け」と言われていた。もちろん、どの試合でも本気で守備をして、ボールを奪いに行っていたが、実際に世界でポーランド、アルゼンチン、セネガル、そしてスペインと対戦して、まだまだ“つもり”だったことに気づいたという。
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「本気で奪いに行っているつもりなのに、いなされて、剥がされる。本当にそれを体感して、本気に奪いに行くということをワンランク、ツーランク上げていかないと、世界では通用しないと感じました。奪いに行く。この意識をもっと本気で持つようになりました」

 間合いを取って遅らせる守備も大事だが、それではどこかミス待ちの守備になってしまう。状況判断をしっかりとしたうえで、全身全霊で自分から狩りに行くという意識を常に持つ。この意識変化が、履正社戦でのプレーに滲み出ていたのだった。

「この考えを持つだけで、守備に対する心構えは変わってきます。一瞬でも気を抜いたら、間を通されたり、ロングボールを蹴られたりするのが世界のサッカーなので、どんな時も常に頭をフル回転させて、どちらでもいけるように、これからやっていきたいと思います」

 吉永には高校生活において、まだやらなければならないことが2つある。それは7年連続となる選手権出場と、その先にある神村学園初の全国制覇だ。

「神村のサッカーを全国のたくさんの人に見てもらいたいからこそ、鹿児島県予選を勝ち抜くために、短い期間でも自分の技術やチームの力をもうワンランク、ツーランク上げていきたいと思います」

 まずは12月15日の鹿児島県予選準決勝・出水中央戦に向けて、吉永は攻守において鋭い牙を研ぎ澄ます。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)

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