８勝２分けのロケットスタートを切りながら、11節から１分け４敗とここにきて失速気味のトッテナム。指摘されているのは選手層の薄さであり、チーム全体の陣容の底上げが求められるなか、セルティックの古橋亨梧、前田大然、旗手怜央、ボルシアMGの板倉滉、ユニオンSGの町田浩樹という５人の日本人プレーヤーが新戦力候補として取り沙汰されている。
 
　横浜Ｆ・マリノスをJリーグ優勝に導いた経歴を持ち、昨シーズンまで指揮していたセルティックでは６人の“サムライ”を指導したポステコグルーが監督だけに、2024年の冬か夏の移籍市場で実際に獲得に動いても不思議はないだろう。
 
　1-2で敗れた13節アストン・ビラの試合前、トッテナム・ホットスパー・スタジアムのプレスルームで試みたのは、現地記者へのアンケートだ。「獲得が噂される５人の日本人のなかで誰が一番欲しいか？」という質問を、トッテナムに精通した10人にぶつけた。
 
　結論から述べると、最も票を集めたのは古橋と板倉で３票ずつ。前田が２票、旗手と町田が１票ずつだった。
 
「欲しいのはフルハシだ。素晴らしいストライカーだと思う。なにより彼はポステコグルーのフットボールを熟知しているからね」
 
　そう答えてくれたのは、『talkSPORT』のトム・ディーン記者だ。
 

　一方で、多かったのは「古橋、旗手は知っているけど、強化が必要なのは（故障者が続出している）センターバック」という回答。『イブニング・スタンダード』紙のダン・キルパトリック記者もそのひとりで、
 
「セルティックを取材している記者仲間に話を聞いた。キョウゴはトップレベルなスコアラーだと言っていたし、あとはハタテ？　優秀なミッドフィルダーだと紹介されたよ。ただ、スパーズ（トッテナムの愛称）が１月に獲得に動くのはセンターバックだろう。だから、この５人のなかではイタクラかな。マチダのことはあまり詳しくないんだ。ごめん」
 
　と板倉に１票を投じている。
 
　町田に関してはまだそこまで名前が浸透していないようで、「彼の情報は持っていない」と回答する記者が多かった。
 
　ただ、CBの主力であるファン・デ・フェンがハムストリングを痛めて長期離脱を強いられている現状を踏まえると、このオランダ代表と同じ左利きで長身の町田が戦力的な需要をもっとも満たすターゲットなのは間違いない。
　
　はたしてトッテナムは、１月にオープンする移籍マーケットで日本人プレーヤーの獲得に動くのか。動くとすれば誰なのか。注目だ。
 
取材・文●加藤紀幸（ワールドサッカーダイジェスト編集部） 

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