2023年11月26日、東京Vとの昇格プレーオフ準決勝に臨んだ千葉だったが、１-２で敗戦。15年ぶりのJ１昇格はならなかった。試合後、小林監督は敗因を次のように捉えていた。

「東京Ｖさんの一人ひとりの上手さや強さ、守備の上手さや強さ、そういうところで（劣っていて）自分たちに流れを引き寄せられませんでした」

　要は「チャンスでしっかりとゴールネットを揺らせたチームと、そうでないチームというところ」が勝負の分かれ目となった。結局は個の質を高めないと、千葉はJ１に復帰できない、小林監督はそんな見解を示していた。

「今シーズンから指揮を執らせてもらって、皆さんご存知のように、前半戦はかなり苦労しました。その中でも自分たちのゲームをやれていた時もありましたけれど、結果は出せなかった。後半戦に関して言えば、少しずつ目指しているところを表現できる時間が増え、それとともに結果を積み重ねることができました」

今日のゲームで言うと、このリーグにおいて本当に力のあるチーム、ヴェルディさん、エスパルスさん、ジュビロさん、町田さん、そういうチームに対しては個の部分でもっともっとレベルアップしていかないと、自分たちのプレーを表現しながら勝点を獲る、試合を勝ち切るところには辿り着けない」
 

　とはいえ、J１昇格を目指せるレベルまでチームは到達しつつあるとの手応えもあると、小林監督は感じているようだ。

「リーグ戦で言えば後半戦で町田さんを相手にしっかりと自分たちで表現して勝ち切ったゲームももちろんありました。ジュビロ戦の前半であれば３-０で終えてますし、通用する部分はしっかりとある。だからこそ、質と強度の部分を今のやり方のまま、もちろん僕自身が来季も（指揮すること）となればですけど、そういうところにトライしていきたいですし、それがクラブのベースとなって『ジェフのサッカーだよね』というところにたどり着けるものになれたらいいと思います」

　J１復帰への鍵は、この小林監督の言葉の中にある。

取材・文●白鳥和洋（サッカーダイジェストTV編集長）

【PHOTO】J1昇格へ向け力強い歌声でチームを後押ししたジェフ千葉サポーター！

「欲だらけなんですよ、世の中は」それでも酒井高徳がサッカー界で生き残れる秘訣「簡単なようで、簡単ではない」

「申し訳ない、そのひと言です」千葉の小林監督がJ１昇格を期待していたファン・サポーターに向けて想いを告白