2023年11月26日、味の素スタジアムで開催された昇格プレーオフ準決勝は、東京Vが千葉を２-１で下すという結果に終わった。両チームの明暗を分けたポイントは何か。試合後、千葉の小林監督は独自の見解を示した。

「東京Ｖさんの一人ひとりの上手さや強さ、守備の上手さや強さ、そういうところで（劣っていて）自分たちに流れを引き寄せられませんでした」

「チャンスでしっかりとゴールネットを揺らせたチームと、そうでないチームというところ」

「このレギュレーションで自分たちが最初に失点してしまうと、かなり苦しい状況になる試合だと分かっていたので、そういったところでも相手に一歩上を行かれたゲームだったと思います」

　この試合、最初の決定機を迎えたのは千葉だった。19分の呉屋のシュートがGKマテウスに防がれていなければ、あるいは違う展開になっていたかもしれない。

　小林監督が言うように、決めるべきところで決めたのは東京Vだった。試合序盤は千葉の圧力に押されながらも25分あたりから流れを掴み、34分に中原が、続く44分に森田が決めて首尾よく２点をリードしたのだ。

　この２点が、東京Vの城福監督曰く「すごくアドバンテージになった」。引き分けでも勝ち上がれる東京Vにとって、前半のうちに２-０とした意味はとてつもなく大きかった。
 

　決めることができたチームと、決められなかったチーム。その差は何かと言われれば、結局行き着く答は「個」になる。実際、小林監督は次のように話していた。

「結局はサッカーって１対１の局面で行なわれている。１対１になった時に目の前の相手に勝てるのか。そういう部分はトライし続けないといけない」

　紙一重の勝負になれば、ちょっとしたプレーで試合の流れは変わる。東京Vと千葉の一戦は、個の重要性を改めて示したゲームだったのかもしれない。

取材・文●白鳥和洋（サッカーダイジェストTV編集長）

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