［W杯アジア２次予選］日本 ５－０ ミャンマー／11月16日／パナソニックスタジアム吹田

　ワールドカップの予選は、何よりもまずは勝つことが大事。難しい初戦でしっかり勝点３を取れた。それが一番の収穫だし、良いスタートを切れたと思う。

　ミャンマーとの実力差は明らか。５点では物足りないかもしれないけど、ミャンマーがけっこう頑張っていたんじゃないかな。もちろん、守備にあれだけ人数をかければ、という部分があるとはいえ、最後まで粘り強く戦っていたのは好印象だった。

　日本の５ゴールのうち、上田がハットトリックを達成。抜群の決定力だったね。ゴール前での鋭い動き出しと確実なフィニッシュ。本来の実力を存分に発揮したと思う。
【動画】日本のゴールショーを一挙見！
　その他で「これは！」と注目した選手が、後半のスタートから途中出場した佐野だ。追加招集で代表初選出。どんなプレーを見せるか楽しみだったけど、これが代表デビュー戦とは思えないほど、堂々としていた。

　日本が押し込む展開だったから、持ち味のボール奪取はそこまで見られなかった。一方で、推進力あるドリブルは可能性を感じさせた。

　引いた相手に対して、ゴリゴリと仕掛けていく。自分の強みに自信があるんだろうね。多少、荒さが目立ったとはいえ、何かしてくれそうな雰囲気が漂っていた。
 

　インサイドハーフでもボランチでも起用できそうだから、４－３－３－もしくは４－２－３－１でも計算できる。中盤のセンターは遠藤、守田、田中がコアメンバーだとして、そこに割って入っても不思議ではない。

　それだけに、もう少し強い相手との試合で見てみたかったね。つまり、守備面でどれだけ戦えるか。そこがクリアになれば、代表でも重要な戦力になっていくと思う。来年のアジアカップのメンバーに選んでもいいんじゃないかな。

　ひとまず、一発目のアピールは大成功。次のシリア戦でも出番があればいいね。国内組にも楽しみな選手がいる。佐野のような新たなタレントの台頭を期待したい。

【著者プロフィール】
岩本輝雄（いわもと・てるお）／1972年５月２日、51歳。神奈川県横浜市出身。現役時代はフジタ／平塚、京都、川崎、V川崎、仙台、名古屋でプレー。仙台時代に決めた“40メートルFK弾”は今も語り草に。元日本代表10番。引退後は解説者や指導者として活躍。「フットボールトラベラー」の肩書で、欧州CLから地元の高校サッカーまで、ジャンル・カテゴリーを問わずフットボールを研究する日々を過ごす。

【PHOTO】日本代表のミャンマー戦出場16選手＆監督の採点・寸評。２人に７点台の高評価。MOMはハットトリックのFW