2016年シーズンのJ1リーグ開幕戦が２月27日、各地で行なわれた。昨シーズン年間３位の浦和は、アウェーの日立柏サッカー場に乗り込んで柏と対戦した。
 
　浦和は２-０で勝利した３日前のACL・シドニー戦から、スタメン４人を変更。新加入の遠藤や柏木らを送り込み、慣れ親しんだ３-４-２-１システムで開幕戦に挑んだ。
 
　一方、ミルトン・メンデス新監督を迎えた柏は、新加入のディエゴ・オリヴェイラや伊東純也、中村航輔を先発起用し、システムは４-３-３を採用した。
 
　立ち上がりは、やや固さの見える柏を尻目に、浦和がボールポゼッションで優位に立つ。アウェーチームは丁寧にボールを回しながらチャンスをうかがい、ウイングバックの関根や宇賀神、シャドーに入った武藤の仕掛けなどで圧力をかけた。
 
　守勢に回った柏は、浦和の武藤に決定的なシュートを許すなど劣勢を覆せなかったが、GK中村の好セーブもあり、前半を０-０で折り返した。
 
　互いにメンバーチェンジなしで迎えた後半は、再び浦和が主導権を握る。まずは左ウイングバックの宇賀神が、ドリブルでエリア内に侵入し、クロスを供給。李が押し込んでネットを揺らす。しかし、これはハンドの判定で取り消された。
 
　そして直後の52分、浦和が待望の先制点を叩き込む。李のシュートのこぼれ球に反応した武藤が、右足で押し込んで試合の均衡を破った。
 
　一方、１点のビハインドを背負った柏は、59分にエデルソンを下げ、スポルティング・リスボンから帰ってきた田中を投入して反撃に出る。
 
　すると64分、ディエゴ・オリベイラの突破から、柏が同点に追いつく。右サイドを強引に突破したブラジル人FWが、ニアを狙って豪快にシュート。これはGK西川に防がれるも、最後はこぼれ球に反応した大谷が叩き込んだ。
 
　このゴールで勢いに乗った柏は、カウンターからチャンスを作っていった。71分には左サイドを抜けた山中がシュート。さらに、こぼれ球を拾った大津のクロスを再び山中がヘッドで合わせたが、惜しくもポストに阻まれた。
 
　試合は１-１のまま終盤に突入し、迎えた84分。試合を決めるゴールが生まれる。殊勲の決勝点は、途中出場の浦和のズラタンだ。このスロベニア人FWは、武藤のCKをニアで待ち構え、頭ひとつ飛び出したヘッドでサイドネットに突き刺した。
 
　浦和はその後、しっかりと守備のバランスを保って柏の反撃を撥ね返し、２－１のまま試合は終了。浦和が勝点３をものにし、幸先の良いスタートを切った。