2023年10月17日、森保ジャパンが手堅い試合運びでチュニジア代表を２-０と撃破。５-４-１システムでブロックを作ってきた相手に攻めあぐねる時間帯がありながらも、焦れずにボールをつないで最終的に古橋と伊東のゴールでリードして完封勝利を収めた。  

　チームに極上の安定感をもたらしていたのが、冨安と板倉のCBコンビに遠藤と森田の両ボランチを加えた４人。「盤石」という表現が大袈裟ではないほど、組み立ての局面、さらに守備面で彼らの連係は際立っていた。

　その４人の関係性について、板倉は次のような感覚を持っている。

「みんなが似たような絵を描きながらプレーできているのが大きい。（ビルドアップ時に）サイドにボールを出すのは簡単ですが、そこで我慢して僕と冨安のところでキープしつつ（遠藤）航くんと守田くんに預けられるタイミングでつける。それができていたからこそ、サイド攻撃が生きたと思います。

試合中もコミュニケーションを取っていて、（パスコースに）顔を出してくれるタイミングも分かる。そういうのもあって、上手く試合をコントロールできました」

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　一方で、遠藤は独自の見解を示す。

「CBとボランチのところで相手を剥がすシーンが多かったから、良く見えた」というのである。 「今日は相手がプレッシャーをかけたところで、自分やモリ（守田）、またはCBとの連係で剥がすシーンが多かったので、良く見えたんだと思います。別に４人だけではなく、他の選手たち、サイドバックやタケ（久保）も含めて一人ひとりが良いポジション取りをしているからこそ、たぶん自分たちが空いてくる」

　では、遠藤から見た守備面での関係性はどうだったか？

「今日は僕とモリがマンツーマン気味になっても全体的に守れていたので、下がりすぎず、前に行く意識を持っていました。そのほうが相手は嫌だし、そういうふうに守れるのは個の力が大きいと思います」

　確かに、１対１でも負けなかった板倉や冨安の強さが、ひいては中盤、チームの安定に繋がったとの見方はできる。

　実際、遠藤はこんなことを言っていた。

「（ボランチの動きに）後ろの２人もかなりついてきてくれて、相手にクサビのボールを入れさせなかった。そこは良かったと思います」

　４人の距離感の良さを示す証言だろう。チュニジア戦で冨安、板倉、守田、遠藤がピッチに立っていた時の被シュート数は「０本」。サイドで多少ボールを持たれても中央でやらせなければ大ピンチにはならない。簡単そうで難しい“基礎的なこと”を実践していた彼らは、サッカーの本質を熟知している。

取材・文●白鳥和洋（サッカーダイジェストTV編集長）


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