悲願のJ1初制覇に現実味が帯びてきた
9月16日のJ1第27節、首位のヴィッセル神戸は7位のサンフレッチェ広島に0-2で完敗した。シュート数は広島の19本に対して神戸は4本。自慢のハイプレスは影をひそめ、球際の強度も緩んでいた。厳しい残暑の影響があったのかもしれないが、そこには“強い神戸”の姿は見られなかった。
広島戦の後には優勝の可能性を残す6位のセレッソ大阪との関西ダービー、そして翌節には横浜F・マリノスとの首位攻防戦を控えていた。後に吉田孝行監督が「2連敗もあり得た」と振り返るこの2試合を、神戸は2連勝という最高の形で乗り越えた。
そして残り5試合で2位の横浜と勝点4差の首位に立っている。本来の神戸が戻ってきた今、悲願のJ1初制覇に現実味が帯びてきたと言える。
今季の神戸は2018年から進めてきたポゼッションサッカーから一転して「ハイプレスサッカー」へと舵を切った。厳密に言えば、昨季の途中に吉田監督が就任してから移行は始まっていたが、全面に打ち出したのは今季からである。
それを象徴する出来事が、アンドレス・イニエスタの起用法だろう。
広島戦の後には優勝の可能性を残す6位のセレッソ大阪との関西ダービー、そして翌節には横浜F・マリノスとの首位攻防戦を控えていた。後に吉田孝行監督が「2連敗もあり得た」と振り返るこの2試合を、神戸は2連勝という最高の形で乗り越えた。
そして残り5試合で2位の横浜と勝点4差の首位に立っている。本来の神戸が戻ってきた今、悲願のJ1初制覇に現実味が帯びてきたと言える。
今季の神戸は2018年から進めてきたポゼッションサッカーから一転して「ハイプレスサッカー」へと舵を切った。厳密に言えば、昨季の途中に吉田監督が就任してから移行は始まっていたが、全面に打ち出したのは今季からである。
それを象徴する出来事が、アンドレス・イニエスタの起用法だろう。
シーズン開幕前は怪我のイニエスタが復帰した際に、どんな戦い方をするのかが注目されていた。というのも、神戸はイニエスタがいる時といない時で別のサッカーをしていたからである。そのすり合わせが課題だと目された。
だが、指揮官はメディアの見解を裏切り、イニエスタを使わないという選択に出た。結果的にイニエスタが移籍する予想外のシナリオになるわけだが、その背景には吉田監督がよく口にする「ある基準」があった。
基準については、まだシーズン中のため詳細は明かされていない。だが、監督や選手のコメントを参考にすると、球際やプレスバック、トランジションなどの項目における強さや速さなどの基準のようだ。
吉田監督は試合動画を選手たちに見せ、このプレーは基準を満たしている、あるいは満たしていないといったディスカッションを繰り返し、チーム全体としてのプレー強度を保ってきた。
別の言い方をすると、基準を満たしていない選手は起用しないという明確なラインを引いたわけである。吉田監督は「一人がズレると守備がはまらなくなる」とよく口にしている。
イニエスタを使わなかったのは、主に守備面で神戸の基準を満たしていなかったからだと思われる。この基準が神戸躍進の大きなファクターだと言えそうだ。
「もう、本当にギリギリ」神戸エース武藤嘉紀、体調不良を乗り越えて大一番を“完走”。ポジションは関係なし「センターバックでも」
だが、指揮官はメディアの見解を裏切り、イニエスタを使わないという選択に出た。結果的にイニエスタが移籍する予想外のシナリオになるわけだが、その背景には吉田監督がよく口にする「ある基準」があった。
基準については、まだシーズン中のため詳細は明かされていない。だが、監督や選手のコメントを参考にすると、球際やプレスバック、トランジションなどの項目における強さや速さなどの基準のようだ。
吉田監督は試合動画を選手たちに見せ、このプレーは基準を満たしている、あるいは満たしていないといったディスカッションを繰り返し、チーム全体としてのプレー強度を保ってきた。
別の言い方をすると、基準を満たしていない選手は起用しないという明確なラインを引いたわけである。吉田監督は「一人がズレると守備がはまらなくなる」とよく口にしている。
イニエスタを使わなかったのは、主に守備面で神戸の基準を満たしていなかったからだと思われる。この基準が神戸躍進の大きなファクターだと言えそうだ。
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