［J１第29節］川崎 ２－３ 新潟／９月29日／等々力陸上競技場
川崎フロンターレは９月29日、J１第29節でアルビレックス新潟と対戦し、２－３で敗戦を喫した。
８月30日に行なわれた天皇杯・準々決勝（２－２でPK戦の末に川崎が勝利）以来の対戦は、川崎が先手を取る。23分、遠野大弥の強烈なミドルシュートのこぼれ球をジョアン・シミッチが詰めてネットを揺らした。
しかし、30分と59分に失点。76分には山田新がPKを決めて同点とするも、80分に決勝点を奪われ、リーグ戦３連勝とはならなかった。
チームは敗れたものの、この試合でひと際、存在感を示したのが、４－３－３のインサイドハーフで先発した遠野だ。右CKの流れから迷わずミドルを放ち、J・シミッチの先制弾をお膳立てしたシーンしかり、シュートを打つ意識はチームで最も高かったように見えた。
【動画】川崎対新潟ハイライト
再三にわたり好プレーを披露
また、強みのボディバランスを活かした突破も目を引いた。特筆すべきは25分の場面。脇坂泰斗が自陣からボールを運び、左サイドに預ける。マルシーニョの中央への横パスに反応した遠野は、華麗な反転トラップで相手をかわすと、細かなタッチのドリブルでもう１人をかわし、右サイドに展開してチャンスにつなげた。
相手に囲まれてもスルスルと間を抜けて、攻撃に推進力を生む。これにはスタンドのサポーターからも「おー！」と驚きの声が上がり、プレーが切れるとピッチに拍手が送られた。
11試合ぶりのスタメンとなった遠野。川崎に加入して３年目となるが、まだ定位置獲得には至っていない。
新潟戦では、前線に顔を出してプレスをかけたかと思えば、すぐにゴール前に戻ってカバー。79分に交代するまで、攻守に足を止めることなく、縦横無尽に走り回っていた。レギュラー確保へ、「自分の価値を証明してやる」という気迫が存分に感じられた一戦だった。
取材・文●手塚集斗（サッカーダイジェストWeb編集部）
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